第2話 今。僕と目が合いましたね。

俺は今びっくりしている。


何故なら、遂先程死んだのに、生きているからだ。いや、生きているという表現は違う。

そう。生まれ変わりだ。


前の20年分の忘れ去りたい記憶を引き継いだまま、新たな人生…。


まるでデータを新しい機種に移したようだ。

といえばいいのだろうか。

もう何言ってるかわからない。


だがしかしたかし!


もしこれが!


本当に!


生まれ変わり。

つまりは転生とするのならば!

一つ問題がある。


それは…。


「だぶだばばぶーばば」


おっと失礼。


コホン。

俺は神に会ってない。

チートなスキルも魔法も武器も何も貰ってない……。


いやね、せめてさ!謝罪みたいな何かないん!?ないってことはアレが運命だったのか。。だから特典はないのか。。

せめて気分だけでもってこと!?

そんな記念受験みたいな感じってこと!?

記念転生!?


oh…。


でも。


生を受けた。この事実は変わらない。

俺の人生パート2。。。

こんなことは二度とないかもしれない。

であれば。

今度は精一杯生きおう。

そして楽しもう。


さて、気持ちも落ち着いた事だし、さっきから俺を抱き、微笑みかけてる女性へと意識を向けようか。


あ、今、目が合いましたね。

どうもです。

息子です。


この後お茶でもどうですか?


あ。この人俺のお母さんでしたか、そうでしたか。


すげー美人。

若いんだろうなぁ。


「お坊っちゃまは元気でございますね。奥様、そろそろお坊っちゃまのお名前を呼んで差し上げませんと」


と、隣の高齢な女性が言った。


「えぇ。でもいざ呼ぶとなったら緊張してしまって。。」


頬を赤らめて言ったこの女性がやはり母親らしい。


「けど、そろそろ呼んであげなくちゃね。

私の。。いいえ、私達の可愛い子供だもの。

元気に育つのよ。フェン」


今日


この日に


フェン・フォーイニクスが誕生した。

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