七、マッハ沖縄

 ここは日本の最南端。なわけねえだろふざけんな。なんにも報われないので、黙って勝手にしろ。酒飲んじゃいけないから、俺たちゃ浴びるほど死んでしまうんだ。



 今朝も爆弾と爆撃機。今日も爆弾は爆撃機。明日も爆撃は好きにしたほうがいい。我慢はただの毒殺で、飲むならおいしいほうがいい。

「どうせ死ぬなら楽しくサー」とシーサーを門に飾る家。我が家。


 ここには誰もいないけど、南国へ行って野たれ生きる我々の、どんなにか愛に満ちた人生の土産は、いつでもご褒美ばかりだ。皮肉を理解せよ。



 死シャモ。テレビつければ死シャモ。詩シャモ。市シャモ。死者も死ぬのか。生きてもいないのに。生きてないのは我々だけではないのすら知らない。めでたい。



 国家がまたくれた。お金はとにかく暴力だ。夢も希望も死刑囚。言い残すことは何もガソリンぶっかけて燃やせ!


 火がなくても焼け死ぬのは、そこまで頭は熱湯だからです。ああ青い海、きれいな海。

 でも水なのにつく火は、もはや火にあらず。殺人だ!




 また爆撃と爆撃機。魂の殺人鬼。軍人という。

 This is

 マッハ沖縄。


 速いぜ。早いぜ。話も理解も。



 ここは超音速超新星沖縄。シューティングスター沖縄。ジーザスクライストスーパースター沖縄。

 善良市民なら奇跡を起こしてみせろ、と無理難題ばかり。




 かように権力に排除された海辺の運動家たちの前に、とつじょ波の向こうからあがってきた黒人のユダが、指さして歌う。

「誤解するなよ、知りたいだけだ。お前の地獄と、お前の監獄。こんな世界に、どうして奴らは、蝿のように飛び回る?」


 落ちろ、空のように。二度と戻らぬ海のように垂れろ、垂れろ、垂れて下がれ!

 そんな、いい気な日本列島。てめえが孤独じゃない、とでも思ったか。


 ブーメラン。




 自由の国からやってきた殺人兵器を、合法でも愛でも止められず、無念に終わったその晩、俺は風呂に入っていた。「誰も泣いてくれない!」と沸騰した。やりがいも、生きがいも、自販機の当たりのように酷いんだと。


「たまには、もう一本」

「たまには」などない!




 破滅しかない国だぜ。たらふく食って、なぜ悪い。肝臓殺して自由になる。脱ぎ捨てた死体から新たに孵化するあなたの、まるで不可抗力・昆虫実験なあがき。


 結果は、いつも気休めだ。だって俺ひとりなんだぜ? 宇宙に人類しかいないのに、今さらガタガタ言うなよ。ひとりぼっちと泣くなよ。


 それより勝手にしろ。黙って勝手にしろ。ああ愛に満ちた人生さね。自分らしさ満開!

 ほれ勝ち組だぞ、救え神様。




 もっともらしさを絞め殺し、それは武器にも敵にもなる、長い長いひもだった。

 つまりマッハ沖縄。超新星沖縄。ジーザスクライストスーパースター沖縄。




 誤解するなよ、知りたいだけだ。

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