BLファンタジー

崔 梨遙(再)

1話完結:1000字

 その頃、その世界の、その国々は中世のヨーロッパ風な世界だった。


 カルデア国には戦士高校という学校が幾つかあった。その内の1つ、ノア戦士高校では、4月1日から新入生が入学していた。1学年200人。女子は20~30人。これから一般教養や武術や戦略を学ぶ。


 スグに、幾つかのグループが出来た。4人1部屋の寮なので、寮の同室の者ともスグに親しくなる。


 僕はサイ、新入生の1人だ。同室は、小柄で色黒、童顔のイケメンのライガ。長身で少しスリムなイケメンのダン。そして、理想的な容姿、超イケメンのディーン。僕達はスグに仲良くなった。そして、“まだ桜が咲いているから花見をしよう!”ということになった。言い出したのは、ダンだった。


 花見に行ったのは、僕達同室の4人と同級生のチョロ。チョロはダンが誘ったらしい。小柄な美少年だった。


 昼間、花見をして、そのまま夜桜まで見ることになった。ダンが立ち上がってチョロを誘った。


「ちょっと、チョロとブラブラしてくるわ」

「ダンとチョロだけでか?」

「ああ、ちょっとチョロに話があるねん」

「なんか、よくわからないけど、いってらっしゃい」


 僕は自分の能力を使うことにした。ダンが何をするのか興味が湧いたのだ。僕の能力は千里眼とテレパシー。半径1キロメートルくらいなら、何が起きているか見聞きすることが出来る。


 ダンは人気の無いところへチョロを誘い込んだ。何をするのだろう? 内緒話か?


「チョロ、ちょっとその桜の木に手を突いてくれ」

「こう?」


 チョロがケツを突き出すような姿勢になる。


「そうそう、そのまま動くなよ」


 目にも止まらぬ早技で、ダンがチョロのズボンとパンツをずらした。スグにダンはチョロと結ばれた。


「え! ダン、何をしてるの? 僕、何をされてるの?」

「うるさいわ、そのまま大人しくしとけや!」

「え! え! え?」


 スグに終わった。


「ダン、なんだか気持ち悪いんだけど」

「何やっとんねん、まだ木に手を突いとけや。これからが本番じゃ」

「うん、わかった」


 再び結ばれるダンとチョロだった。



 その一部始終を僕は見ることが出来た。ダンの暴れっぷりに僕は思わず笑ってしまった。


「なんだよ、サイ、急に笑い出して。怖いんだけど」

「ごめん、ごめん、ライガ。ちょっと……思い出し笑いしたんだよ」



 桜が散り始めていた。チョロが今宵散ってしまったように。







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

BLファンタジー 崔 梨遙(再) @sairiyousai

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

参加中のコンテスト・自主企画