第8話Dパート


「ペロ、紗奈はどうした!」


「ワン?」


紗奈がいないので拓馬はペロに聞くが

首を傾げた。


「ペロよくきけ

紗奈は動けなくなったのか?」


「ワン!ワン!」


「なったんだな、よし案内しろ!」


「ワン!」


拓馬の言葉がわかったかのように返事をし

ペロは走り出したので拓馬は

(良い子だ)と思い後を追いかけた。


数分後

近くの公園に着いた。


「紗奈!」


「拓馬?何で。

ハァハァ…ここに?」


「ペロが案内してくれたんだ。

それよりなんで発作が出たんだ

まさか走ったりでもしたんか」


「うん。

ペロが走り出しちゃって」


「そうだったのか

ったく、無理はするなよ」


「ごめん」


「ペロもだぞ」


「ワン?」


拓馬は紗奈に注意を促し


ペロにも言ったが

首を傾げていたので、

怖がらないように目線を合わせ

頭を撫でながら


「お前のご主人様はからだが弱いんだから

お前が守ってやれよ


そして歩くスピードを

紗奈が合わせるんじゃなく

お前が紗奈にに合わせてやるんだぞ

わかったか?」


「ワン!ワン!」


「よし!良い子だ!」


とわかったと言わんばかりにペロが

返事をしたので撫でくりまわしてる拓馬、

その光景を後ろから

見守っている紗奈であった。


「はぁ〜ペロくんも可愛い」


拓馬たちは優吾たちと合流した

そして何があったのか事情を説明し終えると

早速牡丹はペロを見てメロメロになっていた。


「しかしペロは賢いわね拓馬が言ったことを

わかって返事をしたんでしょ」


「どうなのかな

拓馬くんが言ったのを

全部は理解してないんじゃないかな」 


「そうか?

俺は理解してると思うぞ

あの時の目は紗奈守るぞ!

の目をしてたよ」


「拓馬には悪いけど

昌也くんの言う通りだと思うよ

流石に全部は理解してないよ」


「そうなのかな」


とみんなでそんな会話をしていると


「それはないと思うよ」


「牡丹ちゃん?」


さっきまで癒やされていた牡丹が

話に入ってきた


「ペロくんのサモエドっていう犬種は

昔から飼い主に忠実で賢い犬って

言われてたんだよ。


だから今回拓馬くんが言ったことは

理解してると思うよ」


「そうだったんだね

でもなんで私じゃないのに理解したんだろう」


「きっと拓馬くんを

認めてるんじゃないのかな、


自分の飼い主を

つまり紗奈ちゃんを一生をかけて守ってくれる

信頼できる人って」


「ほぅわかってるじゃねぇか、ペロ」


「ワン!」


と撫でながらペロに言うと、


それを見ていたベイクが

拓馬の膝の上に乗ってきた。


「うぉ!どうした」


「嫉妬してるんじゃないの

拓馬、さっきからペロのこと撫でてたし」


「そうなのか?

たく、俺の中での1番可愛い犬は

お前しかいねぇから安心しろ」


そう言い頭を撫でると

尻尾を振って喜んでいたベイクであった。


「一生をかけて、か

て言うことは拓馬っち達が

将来結婚するってことになるな」


そんな話んしていると優吾が先ほどの話を掘り返してきた


「そう!でもそれには

大きな壁が立ちはだかるの」


「壁って言っても

私たちには何もないよ」


「そうだよ。

僕たちはまだ付き合ってすらないよ


そんな僕たちにどんな壁があるの」


「何ってそれは

幼馴染属性という大きな壁だよ」


「あ…そういうこと!」


「え…どういうこと?」


牡丹の言葉に意見が割れた。


「拓馬くんと紗奈ちゃん、

牡丹ちゃんが言った意味分かったの」


「まぁな。

漫画をよく読んでる俺と紗奈だから

分かったんだ。

お前たちはわからなくても

しょうがないと思うぞ」


「ちょっと、どういうことなの

私たちにもわかりやすいように

教えなさいよ」


「そうだよ紗奈ちゃん

どういうことか教えて」


「えっとね、

よく恋愛漫画とかでありがちなんだけど、


幼馴染の設定のキャラは

急に出ててきたヒロインキャラに負けやすいっていうのが多いんだよね。


多分牡丹ちゃんは

それを言いたいんじゃないかな」


「紗奈ちゃんの言う通りだよ

だから二人にはその壁をぶち壊して欲しいの

壊して、壊して、壊わせた先に

二人にはきっと楽しい人生が待ってるの!

人はそれを恋の試練っていうんだ!」


と、いつものようにアニメの熱弁を

聞いていた昌也は


(いつか僕もこんなに詳しくなるのかな

昨日も今日部活休みだから遅くまで

漫画読んじゃったし)


と思っていると

希美が…


「牡丹ちゃんって

意外と変わってるわよね」


それを聞いて牡丹以外のメンバーは


(希美ちゃん、希美、

だけには言われたくない)


っと思っていると


「そうかな、

希美ちゃんの方が変わってると思うよ」


「誰が変わってるのよ」


「希美ちゃんだよ」


「ぷっあははは(笑)

牡丹が珍しく希美にツッコむ、

なんて珍しいわね」


「え、あ!ごめんつい夢中で

言っちゃった」


と申し訳なさそうに言う牡丹に

希美は...


「いいのよ、

私嬉しかったし」


「嬉しかった?」


「そうよ

ほら私たちあんまり絡めてなかったでしょ

だから私たちもっと絡みましょ」


「うん!

それはもちろん良いよ」


「よかった

ならこれからは牡丹ちゃんも

紗奈ちゃんや桃香ちゃんみたいに

どんどん甘えていくね」


「あ!それは程々にして」


「トホホ(落ち込み)」


牡丹の一言に

みんなが笑顔になったのであった。


「みんなちょっと良いかな」


「ん?どうしたんだ紗奈」


一同はペロやベイクと遊んでいると

紗奈がみんなを呼んだ。


「話したいことあるの」

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