第5話Bパート

場面は女子トイレ

鈴原は個室に入り一息つくと…


「もうー私のバカ!

紗奈ちゃんが仲良くなりたいって

言ってくれてるのになんで

冷たくしちゃうのよ。


こんなことしてたら私が

小学校3年生からずっと同じクラスだった

佐江山希美って言えないまま

終わっちゃう。


けどもう無理よね酷い事言っちゃたもの。


でも良いわ

転校してきてから毎日のようにしてる

この紗奈ちゃん隠しどりコレクション

さえあれば私は満足だもの


今日はご飯を食べてる時の写真

でも撮ろうかな」


と独り言を言いながらトイレを済ませる鈴原、

実は鈴原は小学三年から6年生まで

同じクラスだった。


ではなぜ紗奈たちが気づかなかったのか

それは別の中学に入学し、


それをきっかけに黒髪ロングにメガネの姿から

眼鏡をやめダークブロンドのロングヘアーに

変わったのだ、


気づかなかったのは無理はない。



トイレを済ませ洗面台に行くと

桃香がいた。


「何よ、いたのね」


と言い優雅に手を洗い始めた鈴原だが

心の中で…


(えぇぇぇ!も、桃香ちゃん!

待って待って!聞かれてないわよね

バレてませんように)


そんな鈴原を横目に桃香が話しかけてきた。


「鈴原さんって同じ学校だったのね

それならそうと早く言えばよかったじゃない」


「そっそうね

でも余計なこと言わなくて良いわよ

自分で言うから」


「わかってるわよ」


冷静を保っていた鈴原だったが

テンパリ度は最高に達していた。

しかし桃香の前では冷静さを保って

言葉を発した


「えーそうよあなた達覚えているかどうか

わからないけれど

前の苗字は佐江山だったの

おぼえているのかしら」


「え!覚えてるわ、

あのメガネかけてた子よね

昔と雰囲気が違うからわからなかったわ」


「そうね中学上がるタイミングで

転校してイメチェンしたから

わからなくても当然よ。


私さ両親が離婚したのよ。


それををきっかけにもう暗い自分に

さよならしてさ

新たな自分になったのよね」 


「そうだったのね」


そんな会話しながら鈴原は

隠し撮りをしていることがバレてないと

安心していると


「そんでさひとつ言っていい?」


「えー良いわよ?」


「いくら好きでも隠し撮りはダメだと思うわよ」


その瞬間!鈴原は心の中で


(ですよねー!)


と思い隠すのをやめ

覚悟を決めた鈴原は


「しょ、しょうがないじゃない

つい中学の間会えなくて久しぶりにあえて興奮しちゃったのよ」


「じゃあせめて冷たく当たるんじゃなくて

仲良くなったら?。


そうすれば写真も撮らせてくれるし

いつでも一緒になれるんじゃない」


「私だって仲良くなれたら

それに越したことはないけど

そしたら」


「そしたら?」


「私の心がもたないのよ‼︎」


「は⁉︎」


鈴原が何を言ってるのか

桃香がわからないでボー然としていると…


「だって紗奈ちゃんと仲良くなったら、


桃香ちゃんとか伊藤さんとも

仲良くできるわけでしょ」


「まぁそうね」


「そんなの紗奈ちゃんだけでも可愛くて

しょうがないのに、


可愛い女の子3人に囲まれたら

私どうにかなっちゃうわ」


「もうどうにかなってるわよ」


「どういう意味よ!」


「そのまんまの意味よ。


まぁ、とにかくまだ時間はあるし今から

紗奈のところに行くわよ」


「え!今から!?」


「そうよほら行くわよ!」


「ちょっと心の準備が」


桃香はそう言うと鈴原の手を掴み

トイレを出たのであった。

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