第5話「転校生鈴原希実の秘密」
Aパート
拓馬たちのクラスに転校生
鈴原希実がやってきて数日。
変わったことがある
それは
紗奈たちがクラスメイトから
話しかけられることが増えたのだ。
どうやら最近牡丹や昌也が
拓馬たちに話しかけてるので
クラスメイトも話しかけてもいいんだと言う
風に思ってくれたらしい
そのおかげか拓馬たちの周りが
前にも増して賑やかになり
拓馬たちもみんなと絡むようになった。
月日は5月の上旬。
この時期になると部活に入っている人が
ほとんどになる。
「そういえばみんなは部活入るの?」
ふと牡丹が四人に聞いた。
この日は昌也は陸上部の朝の練習のため
教室にはおらず
いつものメンバーで話をしていた。
「私は入らないかな病気のこともあるし」
「僕も入らないかな漫画とか読みたいし
スイーツも食べたいからな」
「そっか優吾くんは?」
「俺は家の手伝いとかあるからな」
「家の手伝い?」
牡丹が不思議そうにしていたので拓馬が口を
開いた。
「こいつの家、居酒屋なんだよ」
「そうだったんだ。
ってあれ?優吾くんの苗字って」
「科山だけどなんでー?」
すると思い出したかのように牡丹が答えた。
「うちに定期的にお肉を注文してくれてるの
優吾くんの家だったんだね。
いつもありがとう。」
「じゃあいつもお肉をもってきてくれてるのは、」
「うん私のお母さんかお父さんだね」
そう実は牡丹の家は精肉店で
優吾の家の居酒屋は、
牡丹の家からお肉を仕入れしていたのだ。
つまりお得意さんだ。
「私も家のことあるから部活は入らないかな。」
「色々と任されて大変だよねお互い」
「まぁねでも楽しいけどね」
「まぁな」
すると紗奈が話に入ってきた。
「じゃあ部活入るのは桃香だけかな
中学の頃はバスケ部入ってたし」
実は中学時代の桃香は
バスケ部に入っており、
レギュラーメンバー入りするほどの
実力を持っていたのだ。
紗奈の発言に桃香が口を開いた
「私はまだ入るか決まってないわよ」
「あれ?入ると思ってた」
その会話に男子二人も入ってきた。
「あれ桃香ちゃん入らないの?」
「あんなにうまかったのに」
「中学の頃はお兄ちゃんがやってたのを
影響受けてやっただけよ。
それに3年間やれただけで満足だったのよ
はいこの話はここでおしまいよ」
「そ…そうだね少し早いけど
席に戻ろうか…」
「ん?紗奈どうした」
「なんでもないよ
早く席に戻ろう」
「お、おう」
紗奈たちが席に座ったタイミングで
昌也も戻ってきた
(もう少し早かったら昌也くんも
一緒に話せたしそれに…)
と、紗奈が考え事をしていると
鈴原が席に座った。
「おはよう鈴原さん」
「うぃー」
みんなが馴染めている中
鈴原は馴染めていなかった。
いわゆる一匹狼状態だ。
この時期になると
ある程度一緒にいるメンバーが固定になって
しまい、
どうしても転校生は浮いた存在になって
しまうのだ
そんな鈴原を心配し
紗奈は毎日のように話しかけるが
「鈴原さんの好きなもの教えて」
するとスマホをいじりながら鈴原は答えた
「それ神山さんに言っても関係でしょ
仲良いわけでもあるまいし」
っとこのように冷たく
あしなわれてしまうのだ。
いつもはこれで引く紗奈だが
この日は違った
意地でも仲良くなりたいと思った紗奈は
「そうかなそれなら
これから仲良くすれば良いんじゃない」
と提案するも
「あのさ私にもう関わらないでくれる
私は好きで一人でいるの
余計なお世話よ」
すると鈴原は立ち上がった。
それを見て紗奈は、
「どこ行くの?」と聞くと
それを聞いてめんどくさそうに鈴原は答えた。
「はぁトイレよ。ついてこないでよね」
鈴原がトイレ行ってからすぐ
拓馬から、ラオンが来た。
拓馬たちには幼馴染だけのグループがある
そこに拓馬からラオンが送ってきた。
スマホ画面
「鈴原さんどっか行っちゃったね
またなんか話しかけたの?」
すると首を傾げてるキャラクターのスタンプが
送られてきたのを見て紗奈は可愛いと
思いながらも返信した。
「うん、好きなものある?
って聞いたけど答えてくれなかった。」
「そっかなんか俺彼女見たことあるような
記憶あるんだよね」
「え!どこで」
「そうか俺はないけどな
あんな綺麗な子いたら忘れないけどな」
拓馬のラオンに優吾が
反応すると
「そうなんだよな俺もそう思ってるんだけど
見たことないあるんだよな」
「そういえば桃香は?
教室にいいなけど」
「桃香ちゃんならトイレに行くっていってた」
「そうなんだ」
と、隣の席の優吾が返信してきた。
「そういえば聞いてよ二人とも」
「ん?どうした」
「トイレに行くっていったから
いっといれって言ったら叩かれた」
それを見て二人同時に
「それは優吾君が悪い」
「それはお前が悪い」
と返信したのであった。
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