第2話Cパート

本屋に着いた拓馬たちは別行動をとっていた。

昌也は拓馬に聞いたおすすめの漫画を探し、

拓馬も自分の買い物をしていた。


「うーんと…あ!これだ」


と、探していた漫画を見つけ

手を伸ばしたそのとき。


「あ!すいません」


と近くにいた女性と手が触れてしまった。


漫画ではここから恋愛に

発展するシチュエーションだが、


拓馬は紗奈のことが好きなので

なんとも思っておらず

顔を見ずに先に謝ると…


「いえ、こちらこそすみません…

って拓馬じゃん!どうしたの」


と言ってきたので拓馬はそちらの方を向くと

紗奈がいた。

そう、拓馬と手が触れたのは紗奈だったのだ。


「紗奈!今日は一人で買い物か?」


と冷静に聞いた拓馬だが内心では…


「他の女性だと思ってドキドキしなかったけど

紗奈だってわかった途端ドキドキしてきた」


紗奈の手に触れたので

ドキドキしていた。


そんな事つゆ知らず

紗奈は、


「うん。新刊本とか気になる漫画

買いに来たんだ。

そういう拓馬も一人で買い物?」


紗奈も漫画やアニメが好きだが、

拓馬みたいなオタクではなく

普通に楽しむ程度に好きなのだ。


聞かれた事に返事をし

自分からも拓馬に質問した


「いや、違うぞ」


拓馬は昌也と来た事を言おうと

即答したが

紗奈は


「あー!わかったまた一人で寂しく

スイーツでも巡ってるんじゃないの

ほんとに拓馬はスイーツ好きなんだから」


と、少し小馬鹿にしながら返した。


いつも拓馬から揶揄われているので

紗奈もその仕返しをするのだ。


拓馬は、否定しようとした時。


「あれ?神山さんだ

神山さんもここにきてたんだ」


「ってあれ?清水くん!?

え!じゃあ拓馬は今日清水くんと?」


「そうだよ、悪かったないつも寂しく

独りでスイーツ巡りしてて」


拓馬にそう言われた紗奈は、

一気に恥ずかしくなり

顔を赤くしたのであった。


その後拓馬たちは紗奈に事情を説明した。


優吾が風邪を引き二人で遊ぶことになった事、


お互い名前呼びにする事

すると紗奈も


『私は今まで通りで呼ぶね

あと一緒に遊んでもいい?」 

 

と聞いてきたので拓馬たちは快く承知した。


その事を紗奈は桃香にメールすると、


「紗奈がそうするなら私もするわ」


と返事が来た。


こうしてそれぞれ、

昌也の呼び方が決まったのであった。

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