第23話 夏だー!海だー!ナンパだー!
今日はお昼ごろに宿に着いた。ビーチの目の前だ。最初は怒ってた一号だったが時間経過でそれも頭から抜け落ちてしまったらしい。一号的にはそんなことよりも
「先輩、早くビーチ行きましょうよ。」
今すぐにでも遊びたいようで、服を脱ぎ散らかして・・・
「えっへん、下に水着を着ていた私偉い。」
そのままビーチの方に走って行ってしまった。
「はぁ、僕も早く準備しないとな。」
僕も海パン穿いて、ラッシュガードを羽織って、サングラスをかけ、一号が持ってきた浮き輪を持ってビーチへと向かった。
そうして、僕がビーチの方に行くと人だかりがあって。
「ねえねえ、おねえさん俺らと楽しいことしな~い。」
「ったく、一号お前またぁぁぁぁ(#^ω^)。」
めんどくせえ、もう放置で良いかな?
まあね、見殺しにしようとしたよ。男どもの方を。そのまま放置して一号に男として殺されて、親父さんに社会的に殺されるのも良いかなあとも思ったよ。
「だけど、おばさんに約束しちゃったからな。」
僕は人だかりをかき分け男どもと一号の間に割って入って。
「すみません、コイツ俺の連れなので。」
いつもは一人称僕だけど舐められたら終わりだからな。もう一押しいるか?少しどころじゃない殺気を込めて睨みつけ、声を低くして言う。
「失せろや。」
おっ!?後ずさりした。ビビったんだな。サングラスかけといてよかった。もう大丈夫だろう。そう思ったのも束の間。
「引っ込んでろよチビ助がー。」
逆上しやがった。っち、助走つけるために後ずさったのかよ。それにチビ助だぁ(# ゚Д゚)。処す。絶対に処す。放たれる右ストレート。ありきたりかよ。見え見えな攻撃当たるのはバカかプロレスラーぐらいだわ。膝から崩れ落ちるように姿勢をかがめ正拳突きを放つ。
「正当防衛パーンチ。」
パキャって音がなって、しばらく男は持ちこたえたが、耐えられなかったのか、男は泡を吹いて倒れた。ざまぁw
「よし、これで一件落着かな?一号、海行こうぜ。」
振り向くと一号はペタンと砂の上で座っていた。手を差し伸べる。
「「「きゃぁぁぁぁ。」」」
いくら少女漫画的展開だからってよお。・・・ん!?やべ、人だかりとは言ったけど結局野次馬じゃねえか。いかん、スマホ向けられてる。
「一号、ずらかるぞ。」
結局、その後も野次馬に絡まれ、僕も一号もそれなりにナンパされ続け、逃げるように沖の方へ行き、ただただ波に流されて一日が終わった。一号は
「うう~、せっかくの勝負水着を全然見てもらえなかった(´;ω;`)。」
とか言ってる。
「もう、僕に対して好きを隠さなくなってきたんだな。」
Bonn。隣で一号がオーバーヒート。ヤベ、口に出てたか。なら僕も言わなきゃ不公平だよな。
「一号、僕も好きだよ。小動物みたいで。」
「先輩は、乙女心を弄びました。罰として部屋まで運んでください。」
怒った一号が抱っこを催促する。
「はいは・・・い。」
抱っこだと胸が当たるから、お姫様抱っこにしてっと。うむ、しっかリ罰だな。ご褒美なんかじゃあない。これだから筋肉は。僕は一日中泳いだ体に鞭を打って一号を宿まで運んだ。
「この宿で良かった。」
腰がギリギリ耐えられる。
「そうですね、先輩、後で海岸散歩しませんか。」
そういうつもりで言ったわけじゃないんだけどな。こんないい笑顔で言われたら断れないじゃないか。
「ったく、うちのお姫様には困ったものだ。」
「なら、先輩は王子様ですか。」
終わると思った今日ももう少しだけ続くらしい。
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