第19話 旅の計画はお早めに
「あへへ~。」
やり過ぎたかな。
「こちょこちょの致死量一歩手前ってところかな。」
グデグデになった一号。もはや苺ジャム。・・・って何を考えているんだ僕は。暑さにやられたか?まぁ、一号の発熱でさっきまでクーラーで涼しかったリビングも蒸し暑くなってる。
「ってことは、・・・一号大丈夫か!」
ヤベ、つい加減を間違えた。とりあえずタオルで汗を拭いて冷たい飲み物を。
「早く何とかしないと親父さんたちにいかがわしいことしてたんじゃないかって誤解されちまう。」
「いかがわしいことしましょうよ~。」
異常事態だ。いつもの一号ならとっくに気絶してるはずなのに。今の一号は何かヤバい。上手く言葉にできないけど、取返しのつかないことになるような、そんな危機を感じる。こうなれば一度気絶してもらわうしかない。チャンスは一号が起き上がるまで。
「一号、すまん。」
ズドン!!クイっ
「俺のものになれよ。」
「そそそ、それはp178にあった俺様系男子の床ドンからの顎クイ、、、ブフォア。」
これで何とか危機は去ったが
「この血どうしよう。」
この後一号が目を覚ましたのは3時間後で、鼻血をぶっかけられた僕の白シャツは手もみ洗いして洗濯竿に掛けておいた。何とか乾いたけどそのころには夕方で一号の両親に夜ご飯を食べていきなさいと言われ、僕の両親も食べてこいと言い、結局お泊りすることになてしまった。
夕食も食べ終わり、今ベッドに腰かけて旅の計画の最終確認だ。
「一号、ルートはこれで良いか?」
結局、日本一周は厳しいので近隣の太平洋側の都道府県を5日間ほどで回ることにした。宿も4つめぼしいものを調べておいた。それをまとめた手書きの旅のしおりを手渡す。出来はいいものとは言えないが伝わったようで。
「先輩はいちいちロマンチックですね。少女漫画のヒーローですか。」
「僕をあんな貧弱な顔と度胸と愛想のよさだけの連中と一緒にするんじゃない。」
「結構ほめるじゃないですか。もしかして読んでるんすか。」
「それより、これで良いか?宿も取らないといけないんだ。」
「はい、その日程でお願いします。」
よし、ルートも決まったし宿に電話だ。
「二部屋とれないだと!?」
『ついさっきまで秋部屋をご準備できたのですがね。』
早速、さっきのしわ寄せが来た。あの時しくじらなければ。
「だったら、2人部屋ならありますか。」
僕の携帯を奪い交渉をする一号。
『ええーと御二方さえよろしければ一部屋だけ空いておりますが。』
「はい、それでお願いします。」
この後も一号が予約を取り付けたが、その後3つの宿もも2人部屋となってしまった。(;´д`)トホホ、旅の計画はお早めに。
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