第6話 久繰家家族会議

 波乱の一日を終え家に着き、風呂に入って疲れを癒す。


あまりの疲労に換気扇をつけ忘れており視界は真っ白だ。そんなこの状況で思い浮かぶのは一号のことだった。


なんでかなぁ、湯船に入っているのに疲れが取れないや。それに、あいつのこと考えているだけでこんなにも不安になる。


「一人で考え込んでもいいことはなし。さっさとあがって両親に相談するか。」

 

報告、連絡、相談社会人の当たり前。パパンの教えだが納得できるので聞いておく。


それに、大人って僕よりも頼りになる生き物だしなぁ。思春期ってよくわかんねえなぁ。勿体ないし。


そんなことを考えながら風呂から上がる。風呂を上がるとパパンはいびきを鳴らして爆睡、ママンはそんなパパンを膝枕して頭をなでていた。


結婚して20年近く経つって言うのにそんじょそこらのカップルよりも仲がよろしいようで。


まあとにかく相談だ。


「母さん、少し聞きたいことがあるんだけど良いかな?」


「どうしたの?」 

 

優しい声音で話すママン。二人とものことを考えてくれているんだ。


前にパパンがママンのことを博愛主義者って言ってたのが少しわかった気がする。


二人で話していると、


「おいおい息子よ。パパンからママンを取る気か?」

 

(まだお酒が残っていると思われる)パパンが目を覚ました。


「いやいや、父さんの息子がそんなことするわけないでしょ。」


「がっはっは。そうだな。なんせパパンとママンの息子だからな。」


 確定。パパンまだまだ酔ってます。


「それでなんの相談をするつもりだったんだ?」


 ばっちり起きてたじゃねえかよ。


このタヌキ(寝入り)親父め。まあ、相談に乗ってくれるようなので良かった。


「実はさぁ、」

 

そうして、僕は両親に風呂場で事を話した。すると、


「「G.Jグッジョブ」」

 

二人して親指を突き立てるばかりで質問には答えてくれなかった。


パパン曰く


「この感情は自分で知るべきものだ。


だから、パパンからは伝えられん。


お前がその感情を理解したら一緒に酒を飲もう。」

 

ママン曰く、


「いやいや、そんなに…かかるわね。あなたがそうだったもの。


はぁ、苺ちゃんも気の毒ねえ。


確かにスペックでみたら親の色眼鏡抜きでもかなりの優良物件だけれども。


まさしく、少女漫画の男主人公ヒーローって感じね。」

 

とのことだった。


今回ばっかりは二人の言っていることがさっぱりわからなかった。


その日の夜一人悶々と考えていると気づいた頃には朝日が昇っていて。


両親から今日はゆっくり寝ときなさいと言われてしまった。(;´д`)トホホ。

 

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