土曜日の天使。
崔 梨遙(再)
1話完結:1000字
もう20年くらい前のお話。十数年前かな?あまり詳しく書くと年齢がバレるから嫌なんですよね。もうオッサンですので。
土曜の夜、街を歩いていた。知人と飲んでいたのだが、知人は終電で帰った。僕は、電車で帰らなくても繁華街から歩いて帰ることが出来るマンションで暮らしていた。だから、電車の時間を気にしなくて良かった。なんとなく、ブラブラと歩いた。酔った頬に、涼しいが心地よい。
そこで、僕は衝撃を受けた。
大美人が通りかかったのだ。こちらへ歩いてくる。どうする?僕にはその時、恋人がいなかった。こんなに僕の好みの女性に会えるなんて、滅多にないことだ。
①声をかける
②声をかけない
③煙幕(何かのゲームにあった選択肢)
④その他
ここは①だろう!僕は迷わず声をかけた。
「もう電車は無いですよ」
「わかってる、タクシーで帰るねん」
「僕もタクシーやから、一緒に乗って行かへん?」
「マジ?助かるわ。でも、ちょっと遠いで」
「かまわへんよ。ほな、一緒にタクシーに乗ろう。1人で乗るのも2人で乗るのも一緒やから」
「ラッキー、タクシー代が浮いた。でも、なんで私に声かけたん?」
「紫の服がよく似合う美人やから。知ってる? 昔は紫って高貴な人の色やったらしいで」
「そうなんや、紫の服を着て来て良かったかも」
「あ、でも、その前に1杯だけ飲まへん?」
「うーん、まあ、ええよ。1杯くらい付き合うわ」
1杯が2杯になり、耳元で想いを囁く。彼女は瑞樹。歳は聞いていないが、20代の半ばか後半だろう。長いダークブラウンの髪も綺麗だった。スタイルも抜群だ。僕のチェックでは、胸はEかFだろう。ウエストは細い。脚も綺麗だ。夜の仕事をしてるっぽい雰囲気と服装だが、そんなことはどうでもいい。
店を出たら、タクシー乗り場ではない方へ。僕は瑞樹の手を握る。瑞樹は僕の手を握り返す。そのまま、当たり前のようにホテルに入った。
部屋に入ると、ソッとキスをする。軽いキスがディープになるのにさほど時間はかからない。僕は上から順に瑞樹の服を脱がせていった。
「ん?」
彼女は股間だけ男性だった。
「あれ、言わんかったかな? 私、ニューハーフやで」
さあ、どうしよう……?
そして僕達は、とりあえず付き合うことになった。瑞樹は素敵な女性? だったが、夕方から晩になると、ほんの少しだけ髭が濃くなった。
土曜日の天使。 崔 梨遙(再) @sairiyousai
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