第3話
「なぁ、理子ってもしかして、『二重人格』だったりする?」
やっぱりそのことやったんか。まぁ、ここで一回打ち明けとくか!
「ようわかったな~まぁ、実際のところもう片っぽのうちは気づいてへんけど。」
やっぱりそうだったんだ……
「でも、もう片っぽは気づいていないって?」
「うち、実は
ま、まって?理子って……落ち着け、とりあえず話を聞かなくちゃ。
「そうだったんだ。だからあの日、助けてくれたんだね。」
「え、あの日って?まぁ、思い出すかもしれん。話してや。」
「僕たちが最初に会った日のことなんだけど……」
~二週間前~
ホームルームのチャイムが鳴り始めた、夏休み間近でワクワクしているこの日。いつものように体はそんなにがっつりとはしていない男の先生で「おナス先生」こと1-3担任、英語担当の
「はーい、ホームルームを行うぞ~」
と言う。こんな変わらない毎日に、いつものことながら飽きていた。でもある日、
「みんな、あと1週間で夏休みだからって言うのに浮かれるなよ~?あと、今日からこのクラスに転校生が来た。」
ほら入ってこい、と那須が言うと髪型はショートのちょっと背丈が小さい女子が入ってきた。よく見たら、あの子にはそばかすが入っている。
「ほら、自己紹介をして。」そうやって那須がその子に自己紹介を振ると、その子は黒板に少し大きめに『星野理子』と書いて、
「皆さん、おはようございます。今日からこの中学校に転入してきた、『
あの時の理子は少し大人しかった。今思えば、前いたところで何かあったのかと疑えたのだが……そうやって理子の自己紹介が終わり、理子の席をどこにするかを那須が決めることにした。しかし、あいにくながら理子の隣にはこのクラスで唯一の嫌味キャラ、
「星野さ~ん、よろしくね~」
私が荒沢さんの隣に来るとそう呼びかけられた。よかった、この人は優しそう!
「よ、よろしく……」
そうやって朝の会は終わった。
そして、この学校に入って最初の昼休み。どうせなら教室の場所を覚えておこうと校内をぶらぶら散歩していると階段の踊り場、しかもあまり人目が付きにくい非常扉の裏に荒沢さんとその友達のような女子数人がいた。ちょっと聞き耳を立てると荒沢さんが、
「ねぇ、ミキってかわいそうだよね、あんなそばかす顔と隣で仲良くしろだって?ふざけんなよ。」
「わかる~『リコ』だっけか?あんな奴ブサイクすぎて一生カースト最下位よねw」
「ねぇ、あいつの名字さ『ホシノ』って言ってたよね?あの名字だったら、シャイラの『
「まじそれな~!w」
Shining Light、通称『シャイライ』は、ネットを中心に活動していて特に10~20代の女子たちから人気の男性5人組アイドルグループである。その中の1人、星野亮さんはそのグループのリーダーで高身長。しかもかなりの美顔であるから、特にグループ内では推しになりやすいようだ。でも自分はそんな人とは一切血はつながってない。だから、「関係のないことだ」と毎回言っているけど、前の学校の時でも言われて、そして今の学校でも名前でいじられてショックだった。親の都合もあるが、自分はリセットのために転校してきたのに……そのとき、ショックだったからか気を失って……
何か理子に危険な目にあったことに気づき、うちはあいつを守るため、目覚めることにした。そして、
「何でうちのこといじっとんねん!関係あれへんっていつも、言うてるやん!」
マスク・オア・フェイス~真夏の裏切り~ もみじ @dendenmomiji
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