第2話
……あ、あれ?浩平が気づいたらびっくりしている。自分、なんかまずいこ言っちゃったかな?と、とりあえず謝らないと……
「……あ、ごめん。急に問い詰められてびっくりしただけ。」
逆切れした自分をなだめるように、浩平は
「そうか、俺の方こそあんなにきつく言ってごめん。でも、理子のそんな言い方、あの時以来、初めて聴いたな……」
え、何?もしかして私、また記憶が消えてるの?消えたあの時間で何があったの?……まぁいいや、こんな暑いのにずっと外にいるのももったいない。
「そ、そうだったの。じ、じゃぁ、とりあえず電車に乗って帰ろうよ。最寄り駅、同じでしょ?」
なんとか話題をそらしてみたが、また色々追及されたらどうしよう……
「そうだね。じゃ、一緒に帰るか!」
なんかあっさり、私の思うつぼみたいになってる?!まぁ、とりあえず良かった……そうやって自分と浩平は次の電車に乗った。ここは冷房も効いているし、心地いい。あ、あれ、段々眠くなってきた……
……ん?なんでうちが、こんな場所に?確かうち、浩平に『そんな団体、関係ない』とかって言うてたような……?
「あ、理子。おはよ~やっと起きたな。このまま寝落ちしてたら、多分最寄り駅すぎてただろうし、起こして正解だった。」
「あ、浩平が起こしてくれたんか。ありがと。」
なんだろ、理子のやつ微妙に口調が違うような……?
「そういえばさ、理子ってまた今までと何か口調違ってくるよね?……と、とりあえず、次の駅で降りてちょっと話したいからさ。一緒に降りよ。」
何なんや、急に。まぁ、話したいらしいし。それに車内で迷惑やし。
「わかった。」
そうやってすんなりと次の駅のプラットホームのベンチに座った。
「で?うちの口調のことやっけ?うちはいつもこんなだけど何かあるんか?」
「ど、どういうこと?」
そうや、うちがこんな感じなことあまり見せてへんかったし……
「あ、そやった。浩平がこのうちを見るのは初めてやしな……まぁ、ええわ。とりあえずひとつずつ話すさかい、よう聴き。あ、ここで話すのは迷惑やろうし一回駅降りてからやな。」
やっぱり微妙に口がきついな……
「お、お願いします……」
「何や?急に人が変わったみたいで今更びっくりしとるんか?ま、うちのことはあの子と同じように呼んでくれたらええ。」
「う、うん。」
どないしようかな、「浩平には近づくな」ってあいつ言うてたしな……でも、あそこだいぶ怪しいし……それに強力な助け船が向こうにはおる。だからこそあいつはそんなことを言うてたんや。うーん、どないしよ?白状するか、それとも伏せておくか。あぁ……どないしたらええんやろか?
「な、なぁ理子。」
あ、あかん!
「な、何もないで。何や?」
「あ、いいやこれが勘違いだったらいいんだけど……」
「ん?何?うちに話したいことがあったら素直に言って!」
「なぁ、もしかして理子って……」
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