第9話 コスプレ
昨日はあまり寝られなかった。
早くカズヤに会いたい。
カズヤは遅番だ。
デイケアのフロアの奥にある備品庫に用事があったが、カズヤの働いている姿を見たかったので、後回しにした。
昼前に、カズヤを見かけたので備品庫のほうに向かった。
利用者さんのテーブルに食事を並べ終えたカズヤと目があった。
私はニヤッと口元に笑みを浮かべたが、カズヤはこちらを見たまま表情を変えなかった。
仕事中だから、割り切ってんのかな。
奥の備品庫でダンボールの山をかきわけながら探し物をしていると、後ろからカズヤの声がした。
「おはよ、アイカ。」
「あれっ、今大丈夫なの?」
「うん、ひと段落したからタバコいこうかと。その前にアイカの顔見たくて。」
そういってカズヤは背後から私を優しく抱きしめた。
「ちょっと!誰かくるって!!」
自分の顔が赤くなっているのがわかる。
「大丈夫、ここ、死角だから。」
カズヤは私の首筋にキスをしながら、スカートをまくろうとする。
「カズヤ、ヤバいって!」
「…冗談だよ。夜、続きね。」
カズヤはイジワルな顔をしてクスクス笑っている。
あぁ、びっくりした。
なんでこういうところだけ妙に積極的なんだ。
しばらくドキドキが止まらなかった。
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—ピンポーン—
「はぁーい」
「ただいま!!」
「おかえり!!」
私達は玄関先で抱き合った。
「カズヤ、会いたかった〜。」
「俺もだよ〜。」
「もっとギューして。」
カズヤが私を抱く手に力が入る。
「ごはん食べた?」
「うん、腹減ったから軽く。」
「そっか。じゃあゆっくりできるね!」
「てか、なんで制服のままなの?」
「アイたんに早く会いたかったから、着替える時間もったいなくて。」
「そう…」
「…」
「…」
2人はしばらく黙って見つめ合った。
カズヤの黒い肌によく映える白い制服。
お昼の備品庫での出来事を思い出した。
カズヤがニヤける。
「…アイたんも制服きて、する?」
「うん…」
私達は薄暗い1Kのキッチンの奥の壁にもたれかかる。
「アイたん…制服、いつもに増して可愛くみえる。なんか、すげぇやらしい。」
「カズヤもね。」
「アイたん、後ろ向いて。さっきの続き。」
私が壁に寄りかかって後ろを向くと、カズヤは太腿を優しく触りながらスカートをまくりあげ、後ろから身体を押し付けてくる。
「あはっ、カズヤ、やらしぃ〜」
壁に腕をつけた私は息が荒くなる。
「ストッキング、破いていい??」
「それはヤダ。高いから…」
「そっか…」
カズヤは残念そうな声で私のストッキングと下着を脱がせた。
「アイたんのエッチ。もう準備万端じゃん。」
「カズヤもじゃん。」
「えへへ…」
「井沢さん、ここなら誰にもバレないっすよ…。」
カズヤは私を乱しながら、ふざけて声色を変えた。
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