第3話 本性
—12時
横になったまま荒い呼吸を整える私を見下ろしながら、カズヤは後処理をしつつ興奮して喋る。
「アイカ、やばい。最高。俺、久々だったのもあるけど、気持ち良すぎて…。普段はこんなすぐいかないんだよ。本当に。」
あぁ。確かに早かった。
でもそれを上回る快感が得られたから、何も問題はない。
「普段は違うんだよ、俺こんな早くないから…」
わかったよ。
いいよ、そんな必死に言い訳しなくて。
「アイカぁ〜。もっとちゃんとしたいから、あとでもう1回しよ?」
「いいよ。たっぷり楽しませてよね。」
私はニヤリと返した。
「やった!」
カズヤは嬉しそうに笑った。
ようやく緊張の糸がほぐれたのか、カズヤは素のキャラになったようだ。
最初の様子だと童貞なのではと勘繰っていたが、違ったようだ。安心したような、面白くないような。
「最後に彼女いたの、いつ?」
「高校の時。クラスの子と付き合ってたんだけど、そいつが俺の友達と浮気してて。それから女性不信になって…」
「じゃあ、私が数年ぶりの彼女なんだ。」
「うん。だから、久しぶりすぎて、さっきは…」
もういいって、その話は。
「アイカぁ…大好きだぁ〜」
カズヤは後ろから私を優しく抱きしめると、肩に頭をのせてスリスリしてきた。
「やっと素を出してくれて嬉しい。」
私はカズヤのふさふさしたパーマを撫でた。
幸せそうに私に頬ずりしているカズヤのツンデレギャップにややびっくりしたが、そういうところ、嫌いじゃない。
「アイカ、チューしよう?」
「いいよ。」
私達はふかふかの大きなクッションに包まれながら、何度も柔らかいキスを重ねた。
「ねぇ、カズヤのキス、ほんとに気持ち良すぎ。ムラムラしちゃう。」
「俺も一緒だよ。キスしてたら、なんか、またシたくなっちゃった。」
何か固いものが足に当たる。
「俺こっちで待ってるから、その缶飲み終わったら、アイたん、俺のこと食べにきてよぉ。」
布団に潜って顔を出し、ニヤニヤと楽しそうな笑顔でカズヤは私を呼ぶ。
…アイたん!?
「え、うん…」
…変な人。
数年ぶりのセックスで、性欲が爆発しているんだろうか。
チューハイを飲み終えた私は、ふとんをはぎとり、カズヤの膝の上に跨って唇を重ねる。
「カズヤは、どうしてほしい?」
「最後は、俺がしたいけど、最初はアイたんから責められたいなぁ。」
「Mなの?しょうがないなぁ。」
キスをしたまま、カズヤの上着を脱がせていく。
カズヤも、それにあわせるように私の服を脱がせていく。
カズヤの上半身を押し倒し、ベルトを外す。
「じゃあ、2回目は私からね」
「えへへっ。早くぅ〜」
さっきまでのシャイな青年はどこへ消えてしまったのだろう。
カズヤの激しすぎるギャップに戸惑いつつも、その無邪気な笑顔のとりこになってしままう私だった。
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