第8話 魔砲使い藍花憶人

今日は接近戦はしない。


めんどくさいから。


解眼さえ使わなければ、あとは手加減はしなくて良いと言われた。


魔弾バレット散弾スプレッド発射ファイア


だから、初っ端から魔法陣を生成してぶっ放す。


臨廻点アンリミテッドオービット


防がれてしまった。


ただ、これで奴の能力ははっきりとした。


名前だけで分かったかもしれない。


ただ、倒してしまう前に自己紹介ぐらいはしておこう。


「俺は藍花 憶人。ただの仮人ひとでなしの魔砲使いだ。


おっと、勘違いするなよ。まほうはまほうでも大砲さ。」


発射ファイア。ついでにぶっ放しておく。


これも防がれるか、朱兎先輩程ではないにしろそこそこに強いな。


「結構な挨拶をどうも。あーしは天馬 独楽てんま どくら


独楽こまとかいてどくらさ。


これからあんたを捻じ切る女の名だ。覚えときな。」


負けることはないだろうが勝つのはめんどくさい。


「戦いたくないタイプだ。」



一方観戦組。鏡子side


「あのこ強いでしょ。


きっと、ランクⅧの奴らなら何人同時だろうが蹂躙できるでしょ。」


といきなり物騒なことを訊いてくる親友の瞳ちゃん。


「そりゃぁ、ランクⅨ程度の実力が、


ボーダーラインの治安維持隊の隊員だよ。


それぐらいの強さはあるよ。」


素直に答えておく。


それでも追及してくる瞳ちゃん。


「ならなんでそわそわしてるのさ。


彼女じゃあのこには勝てないよ。。」


わかってる。わたしが心配してるのはそこじゃない。


「もし間違えて殺しちゃったらどうするのさ。」


「それはないって。そのために私がいるんだから、任せてよ。


これでもこの場にいる人間の中で一番強いのは私だよ。」


なんせランクⅩの異能力者様だからねえ。と余裕な顔で言っちゃう瞳ちゃん。


瞳ちゃんがそういうならそうなんだろう。


「じゃあ、安心してこの試合を楽しみましょうか。」


「そうだそうだ!!」


剽軽な彼女だけど、わたしは彼女のそういうところが好きなのだ。


そうして観戦に集中する。


憶人君がいろんな種類の魔弾バレットを試して、


相手の子はそれを防ぐことしか出来ないでいる。


いやぁ、憶人君もひどいことするなぁ。


遠目からでもわかる。


あの子の能力は回転させること。


点を設置して、そこを中心に回転する場をつくる。


まるで衛星軌道のように。


だが、憶人君が四方八方から全方向射撃オールレンジファイアをするものだから、


彼女は何度も能力を発動しては解除してと、


かなりのロスを強いられ、もう体力もあまり残っていないだろう。


最後に一発決めるらしい。


魔法陣を一つにまとめ、つい昨日見たばかりの


魔改装オーバーライド武器庫パンドラ発射ファイア


ありゃ、やり過ぎでは?憶人君。


「瞳ちゃんこれって。」


と、隣を振り向こうとしたときには既に、


瞳ちゃんは走り出していて、


「「ドッゴーーン」」


爆撃の後には何も残らず、その隣に


「いやいや、君強すぎるでしょ。


ただの能力者にしてはさぁ。


ヤレヤレダ。」


相も変わらずふざけている瞳ちゃんがいた。


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