第7話 軍部訪問 どんちゃん騒ぎ
鏡子さんのあらい布団捌きによってグロッキーな状態で軍部の正面玄関につく
「鏡子さん、 平気なんですか。」
「あら、ごめんなさいね。あたしったらつい。
いつもよりは穏やかに飛行したのだけれど
それでも運転が荒かったみたいね。」
これでいつもよりマシだったんだ。マジかよ。
「へぇ、配慮してくれていたんですね。
ありがとうございます。お気持ち(は)嬉しいです。」
すると、さっきまで申し訳なさそうにしていた鏡子さんが
「そう?今までで喜んでくれた人は誰もいなかったのよ。」
と嬉しそうに話だし、
「朱兎君も乗せたことがあるのだけえれど、
残念ながら途中で飛び降りて一人で帰っちゃったの。
あの頃はまだ空中飛行なんてできなかったのにね。」
ははははは、朱兎先輩が飛べるようになった原因はこれだったかぁ。
ご愁傷さまです、先輩。
「っといけないいけない。今日は任務だったわね。
私はあなたの護衛をするから安心してくれていいからね。」
行きましょうかと鏡子さんに手を引かれて俺たちは軍部の拠点へと入っていく。
外観はただの駐屯地といった感じだったが、
進んでいくうちに地下へと向かうエスカレーターに乗る。
エスカレーターはガラス張りで
「ひっろ!本当にあの軍部の建物ですか?これぇ。」
数百本もの白い柱が天井を支え広大な空間が広がっていた。
ただ、空間に対して柱の数が少なく圧迫感は感じない。
プシューと音を立ててエスカレーターの扉が開く。
「いやぁ、よくきたねぇ。軍部にようこそ。」
すると、すでに人が待っていたようで
「ワタシは神林。神林 瞳。よろしく。」
それがこの国でも数人しかいない異能力者の神林 瞳その人であった。
「あ、久しぶり。瞳ちゃん。」
「久しぶり会いたかったよ。」
俺を放置して再会を喜ぶ二人。
そんな二人の仲を邪魔するように
「瞳先輩はあーしのもんっすからね。」
金髪のギャル(?)っぽい人が割り込んできた。
軍服を着ていることからして軍部の人間だとは思うが、
「おいおい、何様だぁ?鏡子さんに対してその態度、処すぞ。」
強そうだったので喧嘩を売っておいた。
こいつはどうやら激昂しやすいタイプらしい。
「ああん、やんのかおめぇ。
客だかなんだか知らねえが調子乗ってんじゃねえ。」
訂正、こいつはギャルというよりはヤンキーだった。
なにはともあれ、今日の任務はどんちゃん騒ぎすることで、
双方の組織の強化だ。
「廻れ。
早速、吹き飛ばされ、柱に叩きつけられる。
血気盛んだなぁ。
まぁ、直前に衝突部位を魔力で覆ってクッション代わりとしてダメージはない。
たださぁ。はぁ、
「あんまりわくわくさせんなよ。手加減してやれなくなるからな。」
おろおろする鏡子さん、楽しそうに見てる神林さんを横目に
俺の初任務が今始まる。
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