無職である事の辛さ
取り敢えず今後どうするべきかを考える為、図書館に行くことにしました。人生で初めて図書館に並びました。受験シーズンだったからか、意外と並んでいる人が多かったのを覚えています。
図書館の中には給水器もあり、とても助かりました。お金が無いわけでは無かったのですが、今後何が起こるか全くわからなかった為なるべく使いたくなかったのです。
まず、勤め先を探すことにしました。いえ、正確には、探すフリをして罪悪感を打ち消そうとしていました。
無職というのは楽だというイメージがあるかもしれませんが、ある程度の常識と社会性を持つ人間には無職であるという状態は耐えがたいものがあるのです。それも、次が何も決まっていない状況なら猶更です。
働いている人は無職やニートが羨ましいと思うかもしれませんがとんでもない勘違いです。そこにあるのは、逃げ場のない窯の中でゆっくりと煮詰められていくような地獄です。
幸いにも自分には労働意欲がありました。それなりの条件であればすぐにでも働いてやろうという気持ちがありました。後述することになりますが、この時の自分はその考えがどれだけ甘いものかという事に気付いてませんでした。
僕は商店街に行き、ペンと履歴書を買いました。直ぐには書きませんでした。ただ、そういう気概があるんだぞと自分に言い聞かせ安心を得る為であったと思います。
お腹が減ったので、パン屋に行きパンの耳を買いました。貧しい食事は大学の頃から慣れていたこともあり、特に気にはなりませんでした。割と呑気に公園のベンチで食べて居た事を覚えています。
そして、僕は着の身着のまま人生で初めてのハローワークに行くこととなったのです。
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