第33話


「なんか食べる?そういえば、地鶏のタタキをもらったたんだよね?」


うちの地域の名物で、そのお店だと卵も少し安い。市販品の値上がりに比べたらだけど。


うちの地域は内陸にあたるから、海産物よりは、野菜や鶏や豚や牛かなあ。


わりと黒毛ばかりをちいさな時からみてるから、白黒の牛が珍しかった。


豚もペットのミニ豚とかよりふつうにいるし?


山に行けば夜は鹿が目の前過ぎってくし、畑は猿に荒らされる。


最近は人口より猿の方が多いような?空き家もふえたし、誰がいま管理してるんだろ?


とは、思うけど。そういえば釣り好きなクラスメイトがネットの釣りサークルで知り合った人は、庭先でイワナとか疲れるけど、同じくらいヒグマも目にするような場所に、どうにか妹だけは、結婚させたけど、弟も自分にも嫁なんか来ないって、言ってたのは、もう10年以上前かあ。


考えたくないけど、いつかは人がいなくなるだろうって場所も私や颯太は支援する前に、どう山を降りてもらうか?そう考えるときもある。


いずれ人口が絶対的に減るなら,海外から受け入れていくか、故郷を見捨てるか?しかないのかなあ。


(どうしてカエル兄は、こんな場所にまた戻ってきたんだろ)


まあ、カエル兄は、スペックがそこそこだから、他にまた簡単に転職していけるのかなあ。


颯太と違って墓守りとかもいらないだろうし。颯太は嫌気がさしてるみたいだけど。颯太には離れられない理由もあるし。


2人には幸せになってもらいたいけど、どこかで、リアルは厳しいとも、なんとなくわかるんだ。


まあ、そのリアルを覆す人たちが、たまにミラクルなんだろうけど。


(そういえば、ミラクル起こしたカエルの兄だっけ?)


ふと日本地図を広げたら、ちいさなまちなのに、世界中が知ってる伝統や名産がある時がある。


ああいうナニカさえできたら、人はまだこの土地にいてくれるのかなあ。


明日菜のカエルは、相変わらずLEGOやウッドパズルに夢中になってる。


これだけ自然が豊かなら、なにか一発逆転?


って首をひねるらしいけど。


「そういえば、合コンにうちの両親が勝手に申し込んでた」


「へっ?」


「赤木狙っていきなさいって言われたよ?」


って花音が不機嫌そうに言ったんだ。

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