第31話


私の自宅は、実家からあんまり離れてないけど、一人暮らしだ。


私のお給料でも借りれる間取りの部屋だ。たまに明日菜の元カレという名の、いま義弟は、あんなマンションになぜに住んだのかいまだによくわからないけど。


寂しがり屋なのかなあ?と思うけど。明日菜からきいたら、半分くらいは使ってなかったらしいし?


いまだに、お風呂のシステムにびっくりしてるらしいし?


私の家は、比較的新しいし、独身者用の賃貸で、いちおうお父さんが、セキュリティとかにこだわってた、


「相変わらず、男っ気ないね?」


花音が室内を見わたして言う。


「そりゃあ、そうだよ?たまに颯太やカエル兄が送ってくれるけど、中には入らないし?」


「まあ、颯太はそれでいいけど。私の彼氏なんだから、入られても嫌だし?」


「私なんだけどね?」


「朝陽だから、嫌なの!」


って花音は相変わらず可愛い。見かけはカラフルなのにたまにモノクロみたい。


わかりやすいし。


「会社でなんかあった?それともお家?」


「うん、まあ、いろんなことかなあ。たまに都会は楽だし、だけど、田舎はわずらわしいし?とかなるけどね。朝陽や颯太がいないなら、私は実家に帰るのかなあ?」


って花音は言う。法事だっけ?親戚が集まったのかな?


「はやく結婚でもして落ち着けだって。役所の颯太と朝陽は時間の問題だろうって。なんで颯太の相手が朝陽で浸透してるのよ?」


「そこは、ほら?私たち長いつきあいだしね、数少ない地元組だし?花音が地元組で、私が地方なら、まだ違うんじゃない?というか、まだ、あんまり颯太のこと話せないの?」


「うん、まだ、あんまりかなあ」


花音のおうちは昔からの親戚が多い。颯太も多い。うちは少しずつ減ってきたのかなあ。


お兄ちゃんも明日菜も他県にいる。カエル兄が珍しいんだろうけど。


イケメン、美女の組み合わせなのに、違和感ありすぎてなぞなビジュアル。


まあ、花音が都会とかいっても、うちの地域に比べたら街なだけだけど。


「たいへんだね?」


と、私はただいう。なぜか昔から颯太の地域と花音の地域は、不仲だ。


「まあ、年寄りの愚痴はながいよね。けど楽しくはなかったよ?あんたたちはお似合いって繰り返しいわれて、颯太は認められてるのは、朝陽がいるから?みたいな?」


「遠回しに颯太を牽制されたんだね?」


苦笑いしかない。颯太も似たような環境だし。


そのうち人が少なくなれば、仲良くなるのか、それとも諍いはひどくなるのか。


ってたまに、颯太は肩をすくめる。颯太は田舎の長男だから、色々あるらしい。私もこの職場にくるまで、あんまりピントこなかったけど、世代ギャップなのか、地域的なのかは、わからないけど。


なんとなく花音が外に憧れたのは、花音がここを嫌いになりたくないから?かなあ。


まあ、あのカエル兄は、なんでこっちきたんだろ?だけど。


お兄ちゃんも明日菜もこっちで暮らすはなさそうだし。


同じ田舎の長男でも違うらしい。とは、颯太を見てると思うけど。私は外にでたいなら、お父さんもお母さんも止めないだろうし。


ただ私があんまり?13歳で親元をはなれた明日菜をみてるからかなあ?


あの頃、もうお兄ちゃんも県外にいたし。地元にいたのは、私だけだし。


「けど久しぶりに朝陽や颯太にあえたから、いっかな?朝陽にもいろんなこと話したいしね」


って花音は屈託なく笑う。相変わらず可愛い。

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