第25話

「ーと、言ってもなあ?」


ストレートに好きだと言っても、先輩に通じないような?


というか、絶対に、なんもかんがえず、いまのままなら、ごめんなさい?パターンか。


いや、ごめんなさいって謝るようなことではないから、ごめんなさいパターンってなんだよ?


って自分につっこんでる。


俺はわりと好きだと告白されたが、ごめんと言いつつ、いや、知らないやつに好きと言われても?


ごめんって感情は知り合いだとわいたかなあ。


春馬は素直にごめんってなるか、アイツの場合、鈍すぎて気づかないか。


こういう時に、身近に女友達でもいたら、相談できそうだけど。


元カノ以外いないしなあ。


それだって自分からじゃないし、遊び慣れたかんじのやつらと、大学時代に一時、なんか遅れた反抗期のイライラと、童貞ってのも嫌でイベントしただけな気もする。


スッキリはするけど、めんどくさい、もなんかあったよなあ。


俺の場合、かなり最低ではある。優しいけど、ふりだね?


彼氏として、自慢だけど、本命にはいらないかな?


って言うやつらが元カノだ。


浅井さんと森野さんは見てたら、なんか違うけど?


いままで数人とそれなりにイベントこなしはしたけど、浮気を浮気とも思わなかったな。


俺から付き合ってる時に、つまみ食いとかはないし、断る口実にはなってたけど。


田舎の大学から都会に就職したわけで、やっぱりなんか、違うキラキラした風景だったけど。


(よく春馬は神城と続いたよな?神城が変わらなかったのか?いや、神城は変わったよな?)


とも思うけど。


そもそも俺はそこまで神城を知らないし、いまならわかるけど、神城は憧れだったんだろうか?


初恋ともなんか違う気はするけど。そこまで神城を知ってたわけじゃない。


結婚式の神城は綺麗だけど、春馬がいると表情がくるくる変わるし?わりと短気だ。


というか神城相手なら、春馬はよく話をしてる。


じいちゃんがいなくなって、あまり春馬は会話しなくなってた。


けど、そういえば、高校時代から落ちた雰囲氣はでたよな。


それは、和菓子屋の娘のせいだって、俺たち家族は思ってたけど。


アイツもよく口に出したしな?柴原真央の名前は。


柴原は中学時代によく話題になってたしな。神城に負けない美少女で、頭よくって、


(すぐやらせてくれる)


告れば落とせる、そんな軽いやつが春馬の彼女だと思ったけど、春馬の口から柴原の悪口をきいたことないし、俺は自分で精一杯だった。


いつのまにか、すべてを春馬に追いこされて、劣等感を勝手に抱いた。


俺が頑張ってやっと地元ではいちばんの国立にはいったら、あっさり九州でいちばんに合格しやがり、俺は留年して同学年。


あの時の俺を救ってくれたのは、親父だったけど。


親父には、春馬も俺もとくに差がなく、息子なんだってわかった。


母さんは、俺と会話するけど、目がいつも春馬を追ってた。心配は常に春馬だった。


春馬が福岡行く時もハラハラしてたけど、柴原も一緒の大学なら、安心だとももらしていた。


柴原かあ。


俺にはわからない春馬と柴原と神城の関係性だ。


さっきみた先輩たちの関係性とも違うよなあ。


さあて?俺の場合、どうしたら、いいんだ?


浅井さんに頼るのは、なんか嫌だ。いまいちばん先輩の近くにいる異性だろうし?


自分の家の駐車場に車をとめて、なんかそのまま自宅に帰る気には、ならなくて、俺は徒歩で行ける居酒屋に入った。


そしたら、


「あっ、村上の兄貴だ」


って、カウンターでひとり酒を飲んでるチャラい茶髪のイケメンが言った。


名前だけは知ってる、赤井との初対面だった。




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