第23話
浅井さんは、なんとも言えないパグ顔で俺をみながら、唐突に
「おまえの弟ってかなり変わったやつらしいな?」
そう言った。
「…だれからですか」
「地元で有名人な赤木」
「赤木?ああ、バスケ部にいた派手なやつか」
神城が東京に行って、もうまわりは、ふたりは別れたって思い込んでたけど、赤木は、いつもなんかやたらと春馬の悪口を言いまわって、
(春馬に、スルーされていたな)
というか修学旅行で誕生した、にわかカップルは、学校中の話題をかっさらったわりに、神城がスカウトで東京に転校することが決まってたし。
神城が東京に行くまでの、虫除けくらい?だけど、その虫は、量も大きさも餌が豊富なでかい田舎のハエだけど。
ただ毒あるのは、赤木くらいだったな。
(俺は、ただ眺めていただけだし)
受験生だったしなあ。いちおう地区でいちばんの学校目指したけど。
「春馬は、たしかに変人ですけど、害はないですよ?大人しくひとりで、俺にはわからない遊びに、夢中になってる」
と、俺は伝えた。いまでも春馬を悪く言われたら、モヤモヤするけど、これはあいつの兄貴として、ずっと続くモヤモヤだし?
アイツなりに悩んだらしいは、最近知ったけど。うまくアイツは、なんだかんだ乗り越えてくけど。
ああいうところは、じいちゃんによく似てる。
「そっか。まあ、赤木の明日菜の情報を信じてる奴らは、地元には、いないしなあ。あれでも地元じゃ貴重な若手だ。おまえとタイプ違うイケメンだな」
「なにがいいたいんですか?」
「まあ、がんばれよ?お兄ちゃん。朝陽はあれでブラコンだ」
(頑張りようがない情報ばかりだけど、たしかに?)
俺、あの日に先輩に言ってるな?
こうなりゃ、やけくそか?
元から春馬と違って、体育会系だし?
パズルなんかやらないし?
「…砕けるまえに、頭冷やします」
「おまえイケメンだなあ」
あきれた浅井さんを俺はスルーした。明日も仕事だし、もう少し頭を整理したい。
その上で、俺は…,
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