第13話
となりで、颯太から、どうしょうもない哀愁が漂ってきていて、私は,若干あせる。
こんな田舎の二人きりの寂れた場所で、それはやめてほしい。
人気がないのを確認しつつ、
(人の気配だけだよね?いないよね?)
大丈夫だよね?
自分に私はいいきかせる。
(私には、霊感なんぞない)
哀愁とか大好物だよね?素直に颯太に哀愁は、やめて欲しい。
へんなのきたら、こまる。
私に霊感ないと信じてるけど。
こんな薄暗い昔の廃校を利用した施設でさ?泥棒に入って遭遇したら、ビックリだよね?
(ウーパールーパー)
明日菜のカエルと同じ両生類だけど、わりと不死身な再生能力。
骨や内臓まで、再生する不思議な水生生物。
だから、水生なままの両生類なんだろうか?いや、両生類ってそもそもなんだっけ?
私は文系だけど、受かる範囲の学校しか行かなかった。
となりにいる颯太も担任から、レベルに合わせて学校選べ?で、適当にいける学校えらんでたなあ。
なりたい夢とかは私にはなかったし?けど、カエルをみてたら、私にもなんか夢中になれることがひとつくらいあってもよかったのかなあ。
学生時代は楽しかった、から、いいのかな?明日菜は違うし?
明日菜が13歳でこの田舎を離れて大都会に行ったとき、少しだけホッとしたんだ。
私とは違う学生生活をおくる明日菜をみながら、学年が違うし、なにより身内に弱さを見せない子だった。
明日菜が甘えてきたのは、東京に行ってからだ。弱音をほんとうに言うようになったのは、ごく最近。
13歳の明日菜にリセットかけたから。きっと明日菜の時間は、あの頃のままだったんだろう。
し、
(お義姉さん、明日菜って霊感ないっすよね?)
わりとひきつってたカエルがいる。私も若干、内心で焦りつつ、
(明日菜だよ?)
で、適当にこたえた。どうとるかは、カエル次第で、
夜の小学校でウーパールーパーいたら、わりと悲鳴あげそう?
防犯対策?
って思いつつ、半分仕事を颯太に押しつけた。
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