第9話
(だめだ、まったく通じねー?)
スマホをきりながら、内心でぼやいた。というか誰だ?先輩といる人って。
幼馴染だって言ってたけど、先輩もとから地元だしなあ?
俺のいる市役所とは、違う小さな地方にさらにいる。
便利屋みたいな部署にいる。まあ地元だから、地理と高齢者の方言にも慣れてるからだろうけど、
東京に就職していた俺は、右も左もよくわからないままあの大都会で生活していたけど。
ほんとうに徒歩圏内でいろんなものが、買える世界ってすごかった。
街自体がコンビニ⁈
って、春馬みたいな感想を抱いたな。退職する時、同期と数人で、まああれは東京ではないが、ネズミが主役の夢の国にもいった。
パレードやプロジェクトマッピングは素直に感動したし?
可愛らしい黄色のクマの帽子で子供が駆け回ってたなあ。
(俺が田舎帰るってなったら、あまりに田舎だから言いよる女性陣減ってたけど。同郷のなかでも田舎に入るしなあ)
コンビニみたいな便利さないけど。
Uターンしてきてから、自分がそこまで、いろんなことに困らない事も知った。もともと俺の故郷だしなあ。
いまはネット便利だし?東京で一人暮らししてたしなあ。実家には住んでないけど、わりと顔出してるから、母親の手料理にはありついてる。
まあ、材料はたまに買ってくけど。荷物持ちしながら、親父って小さかったか?
だけど。
春馬なら違う感想なんかなあ?
親父が作った雑炊があるぞ?って言ったら、水の入ったご飯?って表現したしなあ。
じいちゃんが大爆笑して、親父は首を捻ってた。
たしかに、表現的にはあってるが、
(美味しくなさそう)
ってどうでもいい事をぼんやり思うくらいには、時間はゆっくりかもしれない。
東京いた時は、同期のやつらと競ってたし、わりと春馬より先に出世したいとか思ってたのに。
俺が勤めてた会社も海外勤務はあるから、春馬が外資でも俺だってよそいけば、外資?
(競ってどうしたいんだよ?)
ほんとうに、なんというか、女々しいんだよなあ。
春馬の視界に俺は入らないし、神城の視界に入らないし、
「先輩まで俺にノー眼中ってなんだよ?」
もはや俺は透明人間か?って思いつつ、まだまだこれから?
とりあえず、俺にも地元に何人か残ってるし?少し探りいれるか?
アドレスをひらいた。
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