第17話 3歳出会った記念日

 あれから1年が経った。


 1年の間で冒険者ランクがC級に上がった。


 二つ名もついた。 

 【ゴーレムマスター】【ゴブリン使い】。

 

 【ゴーレムマスター】は格好いいから気に入っているが、【ゴブリン使い】はゴブリン達に雑用をさせているだけだから二つ名でそれがつくのはしっくりこなかった。


 そんなことは一旦置いて、ガテツについて話そう。


 ガテツとは初めの頃は一緒に依頼をこなしたり、同じ宿屋に泊まっていたが、ランクも上がり独り立ちをしたので最近はあまり会っていない。

 たまに修行として武術と魔法を教えてもらう程度。


 元々売れっ子のA級冒険者が、魔王の四天王の1人を倒してS級に上がったから、忙しくて会えないというのも理由の1つだ。


 ソロ冒険者でS級までいったのはこれまで10人に満たないらしい。


 それぐらいガテツはすごい。 


 流石俺の師匠。


 本人に師匠とは1度も呼んだことないけど。

 

 それはさておき、今日はガテツと出会った日だ。


 俺の誕生日をガテツに教えていないからその日を誕生日ということにしている。


 本当はもう3歳だが。

 

 だから今日は忙しくてもガテツが俺の偽物の誕生日を祝いに来る。

 

 祝う場所はいつもの飲み屋。


 そこでガテツと他の冒険者仲間達と盛大に祝う。


 冒険者を始めたときは他の冒険者達がごろつきにしか見えなかったが、今は気の置けない仲間だ。


 半年前に起こった魔族の侵攻で一緒にくい止めたのが仲間意識が深まった要因だ。


 それまでは最年少の2歳児でD級冒険者としての実力をガテツ以外の他の冒険者に信用されていなかったが、魔族侵攻で複数の魔族を倒して実力を見せたら信用されるようになった。


 それからはたまに宴会にも呼ばれるようになり、


いい関係性を構築している。 


 未成年だから酒は飲めないが、宴会の明るい雰囲気が好きだから誘われたら参加するようにしている。


 女冒険者は俺のスキル【醜男色】の効果で1人も宴会に来ないから、野郎のみだけどそれでも最近はそれでいいと思い始めている。


 女は何をしでかすかわからないから。


 母であるアンスロポスの王妃は、俺に消えてほしいがために闇ギルドの人間に誘拐させて奴隷商に売り飛ばそうとしたのだから。


 だから女は何をしでかすかわからないから男のみの方が気楽。


 話は戻り今日は誕生日。


 いつもの飲み屋で盛り上がるぞ!


 飲み屋が開くまで時間があったので軽め依頼をこなした。


 しばらくして飲み屋が開店したので、中にはいったら、「トニーお誕生日おめでとう!」と野太い声が響きわたった。


 そこ声の中にガテツもいた。


 俺は「ありがとう」と笑顔でその場にいる全員に向かって言った。


 その後全員にプレゼントをもらった。


 レアな武器やアイテムばかりだった。


 ガテツからは、ガテツの目の色と同じ赤色の石がついたブレスレットをもらった。


 それを身に着けていると俺が危険にさらされたとき、遠い場所にいてもガテツがその場所に転移して助けてくれるアイテムらしい。


 ガテツらしいアイテムだった。


 プレゼントをくれた全員に感謝を伝えて、誕生日会が終わった。


 その後が宴会始まった。


 酒飲みばかりでどんちゃん騒ぎだった。


 俺だけシラフなので酒飲みがうらやましかった。


 1人だけテンション低いのは盛り下がるから無理やりハイテンションになり場を盛り上げた。


 しばらくして全員疲れて眠った。


 

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