第15話 冒険者ギルド

 ヴェリアスに到着して周囲にいる人たちを見ると、さまざまな種族がいた。


 流石、Various(様々な)という名前の国だけある。


「おい、トニー。ぼーとしてないで冒険者ギルドに行くぞ。ドラゴンの素材を売って、ドラゴン退治した報酬をもらいに行くのだから。」

 

「わかってますよ。少し周囲を見ただけですよ。」


 冒険者ギルドに行った。


 建物は金持ちの豪邸ごうていぐらいの大きさだった。


 中に入ると、ガラの悪い冒険者ばかりだった。


 ガテツが俺の手を引っ張って、

「トニー、受付で報酬の手続きをするついでにお前を冒険者登録するから来い。」と言うので、

「わかりました。」と素直に言うことを聞いた。


 受付に行った。

 眼鏡のエルフ(♂)がいた。


「おーい、マルディル帰ってきたぞ。」


「ガテツ帰ってきたか。お前の実力だったらドラゴンもっと早く退治できたろ。ん?そこの幼児は。」


「ドラゴン退治したときに偶然いた幼児のトニーだ。わしの弟子にした。」


「弟子?かたくなにソロ冒険者をしていたお前が?」


「こいつが両親から離れて他種族と旅をしていると聞いたとき、構ってやりたくなった。」


「そうだったのか。なんかこう見ると、弟子というよりは親子に見えるな。」


「親子って!オーガ族の基準で言えば、わしはまだ子供がいる年齢ではないぞ。」


「例えだよ。そんなことより退治したドラゴンは?」


 ガテツが何もない空間から解体したドラゴンを取り出した。


「レッドドラゴン、しっかり解体できているな。

これなら中金貨50枚だ。そして今回の報酬が中金貨30枚で合計中金貨80枚だ。」


「ドラゴンの素材が中金貨50枚?60枚の間違いだろ!」


「最近ドラゴンを退治する冒険者が増えて価値が下がったんだよ。」


「何でだよ!」


「値段は高いけど簡単にドラゴンが退治できる武器が販売しているからだよ。」


「しょうがないか。あっそういえば、こいつの冒険者登録をさせてくれ。弟子の修行をするために必要だから。」


「わかったよ。」と言って受付台の中から石板と紙を出して受付台に置いた。


「トニー君、まずはこの石板に触れてくれ。冒険者登録できるから。」


 石板に触れた。

 冒険者登録が完了した。


「次は冒険者ランクを計測するからこの紙に触れてくれ。」


 紙に触れた。


 白から黄色に変化した。


 それを見てマルディルが、

「トニー君、君はD級だよ。幼児なのにすごいね。その年齢だと普通は1番下のG級だよ。」と驚愕きょうがくしていた。


 そばにいたガテツは「流石わしの弟子。」と自慢気だった。


 マルディルは「ゴホン」と咳払いをして、

「トニー君、冒険者になったから、何か依頼受けてよ。D級以上であれば依頼はたくさんあるから。」


「依頼はどこでさがせばいいですか?」


「掲示板に色々貼ってあるからそこから探して、受けたい依頼があったら掲示板から依頼書をがしてここに持って来て。」


 掲示板を探した。


 自分の身長では文字が見えない位置に掲示板があった。


 土属性魔法で普通ゴーレムをつくり、掲示板が見える位置まで上に持ち上げるように念じた。


 普通ゴーレムは俺を持ち上げた。


 掲示板を見たら、丁度いい依頼があったので受付でそれを見せた。


「虫型魔物の退治ね。D級の5人パーティーでおこなう依頼だけど、D級とA級2人でこの依頼を受けるなら大丈夫かな。ガテツお前もこの依頼受けるよな。」


「もちろん、受けるよ。弟子の初めての依頼だから。」


「それだったら受理するよ。終わったらまたこの冒険者ギルドに来てね。」


 色々済まして冒険者ギルドから出たら、外が暗くなっていた。


〈グー····〉何時間も食べ物を摂取していなかったので俺の腹が鳴った。


「トニー、夕食にするか。わしの行きつけの飲み屋があるからそこに行こう。」


「はい。」


 飲み屋に行った。

 中に入ると、ウェイトレスが俺を見るなり、逃げた。


 その様子を見てガテツはぽかんとしていた。

 

 ウェイトレスの人が近寄って来ないので、ウェイターの人が代わりに俺達を席に案内してくれた。


 席に案内されたついでに子羊型魔獣のシチューを注文した。

 

 注文されたものがすぐに来た。


 しばらくして食べ終わった。


 お代はガテツが払ってくれた。


 飲み屋から出たら、今日泊まる宿屋に来た。


 ガテツは夕食と同じく宿代も払ってくれた。

 

 節約のために1部屋の雑魚寝だが、やっと野宿から開放されたので嬉しかった。


 その日はぐっすり眠った。

 

 


 


 



 




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