第14話 ゴーストタウン
普通ゴーレム達に街の中に人がいるか探索させた。
人がいた場合は俺の前に連れて来るように念じた。
しばらくして大人の小人(♀)と子供の小人達を連れてきた。
大人の小人(♀)と子供の小人達(♀)が俺を見た途端、すぐさま逃げ出そうとしている中、子供の小人(♂)達は普通だった。
まだ話ができそうな子供の小人(♂)達に事情を聞いてみた。
「君達、この街は元々こんなだったのかい?」
子供の小人(♂)のリーダー格が口を開いた。
「いいえ、元々は活気のある街だったんです。」
「そうだったんだ。でも今はどうしてこんな有様に?」
「最近、ドラゴンが現れて街を荒らしたからです。」
「何故ドラゴンが?」
「それはよくわからないんです。ドラゴンは気まぐれに現れるものと言い伝えで言われていますから。」
「そうなんだ。話が変わるけど、この街に大人の小人(♂)がいないのは何故?」
「ドラゴンが現れたときに食べられたり、ブレスで燃やされたりで絶滅しました。」
「そうだったんだ。でも君達はどうして生きているの?」
「大人の小人(♂)がドラゴンに立ち向かっているとき、地下の避難所に隠れていたからです。」
「そうなんだ。今はドラゴンいないようだけど、またここに現れるの?」
「わかりません、ドラゴンは気まぐれなので。だからさっきまで地下に隠れていたのですが、ゴーレム達に無理やりここに連れて行かれました。」
「それはごめんね。悪意はなかったんだ。」
「別にいいです。強者には逆らえないので。」
「そう悲観的にならないでよ。この街の現状がわかったから元の場所に戻っていいよ。」
「いいんですか。」
「いいよ。」
俺は普通ゴーレムに拘束を解けと念じた。
普通ゴーレムが拘束を解いた途端、全員元いた場所に戻っていった。
小人の話を聞いて、俺とゴーレム達の実力ではドラゴンに勝てないと思ったので、さっさと物騒な街から出る準備をしようとしたとき、
〈バサー············バサーン〉
大きい翼の音がした。
音がする方向にドラゴンが現れた。
攻撃をするわけでもなく俺達の様子を見ていた。
このままでは大人の小人(♂)のように絶滅してしまうので策を練るためにドラゴンが様子見しているうちに観察した。
全長70メートル、赤色、全身鱗、翼が2つ、それしかわからなかった。
この情報だけで何かできるだろうか。
せいぜい普通ゴーレムと奴隷のゴブリンを
しかしその策は人数が足りないし、翼で飛ばれたらすぐに追いつかれるから不可だ。
観察だけでは策が練れないので、現世の記憶で役に立ちそうなことを思い出そうとしていた。
しばらくして。
····あっ!逆鱗だ。確か異世界ファンタジー小説でドラゴンの弱点は逆鱗だと書いてあった。それが今いるドラゴンにあるかわからないけど、探す価値がある。
普通ゴーレムにドラゴンの逆鱗を探させた。見つけたら右手でそこを指差すように念じる。
すぐに1体の普通ゴーレムが見つけた。
指差したのは首元だった。
そこにゴーレムの打撃と俺の魔法を一斉攻撃することにした。
ドラゴンには今まで使った魔法で強力だった風属性の魔法を使うことにした。
俺は風属性の魔法で巨大な刀をつくった。
全てのゴーレムの打撃と魔法で一斉に首元に攻撃した。
しかしノーダメージだった。
逆に打撃をしたゴーレムの方が壊れた。
····終わった。今できる最大の力で攻撃したのにノーダメージ。これでは勝てない。
俺の中で諦めムードが流れた。
·····クソ、殺すなら殺せよ。
ドラゴンの前で大の字になり殺されるのを待った。
ドラゴンがもう遊びはお終いかというつまらなそうな表情でブレスをはこうとしたそのとき、
〈スー〉ドラゴンの頭が切れて俺の前で落ちた。
すぐに大の字から起き上がったら、そこには
「助けてくださりありがとうございます。あなたは何者ですか?」
「弱者には教えたくないな。」
「そうですか。ではさようなら。」
「いや待てよ。普通そこはどうにか何者かを教えてもらえるように頑張るところだろ。さようならすんなよ。」
「あなた、面倒臭い人ですね。それならさっさと何者か教えてくださいよ。」
「お前幼児の癖に嫌な性格しているな。まぁいいだろう、特別に教えてやるよ。わしの名前はガテツ、オーガ族の国オグル出身のA級冒険者だ。」
「冒険者が何故ここに?」
「ドラゴン退治の依頼があったからだよ。お前こそ何故こんな危ないところにいた?」
「アンスロポスから旅に出ているんですけど、偶然ここに来てドラゴンに遭遇しました。」
「そうなのか。それは不運だったな。しかしまだ幼児なのに旅をするなんて珍しい。それも親とではなく、ゴブリンとなんて。」
「あなたには関係ないでしょ。もう次の場所に行くのでさようなら。」
「待て。お前、このままだと弱いから死ぬぞ。」
「そんなことわかっていますよ。でもあなたには関係ないでしょ。」
「わしがドラゴンから助けてやったんだぞ。下手したらあのときお前は死んでいた。だからわしにはお前を構う権利があるから関係ある。」
「そんなの無茶苦茶な理論だ。」
「ドラゴンを倒せるほどの実力者であるわしに構われるなんて、ありがたいことなんだぞ。」
「それならもう勝手にしてください。」
「いいんだな。」
「いいですよ。」
「では、今日からわしの弟子になれ。戦いを教えてやる。」
「はい。」
「そういえばお前の名前はなんだ。教えろ。」
「トニーです。」
「トニー、わしはドラゴン退治の依頼が完了したから冒険者ギルドに行く。弟子になったのだから一緒に来い。」
「わかりました。」
冒険者ギルドはさまざまな種族が住む
ヴェリアスはペィビィの近くにあるので、すぐに到着した。
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