第9話 襲撃

 朝になった。

 

 ゴーレムが1体減っていた。

 

 残っていた巨大ゴーレムと普通ゴーレムの合計2体には鋭利なもので削れた痕跡こんせきがあった。


 周囲を見たら、巨大な獣の足跡があった。


 今回どうにか生き残ることができた。

 だが次、昨日の獣より強い獣が来たら今の戦力だと死んでしまうだろう。

 まだ土魔法以外の属性を試していないし、魔力も1万あるからといってこの異世界の基準がわからないから、現時点で高いか低いかわからない今の状況は危険だ。


 まぁ考えていても仕方ない。

 まずは俺を守るゴーレムをつくり直さないと。

 壊れかけの2体じゃ心許こころもとないしな。


 俺は今いるゴーレム2体を修復し、新しく5体普通ゴーレムをつくって合計7体になった。

 

 魔力がどっと減った。

 もっとたくさんつくりたかったが、これ以上魔法を使うと倒れそうなので辞めた。

 

 今の魔力では、余力を残してゴーレム7体ぐらいか。なんとなく目安ができた。


 魔力が減り、お腹が空いたので普通ゴーレム1体に食べ物を探させた。


 また、見た目がりんごで味がぶどうの果物を持ってきた。


 それを食べて腹は満たせたので巨大ゴーレムに乗り、出発した。

 昨日、遠くの方に見えた建物のに何かしらの種族はいるはずだ。


 ゴーレムに乗って、しばらくゴーレムを歩かせていると、〈ビュッ············〉俺に向かって矢の雨が飛んできた。

 

 巨大ゴーレムに『俺を矢から守れ』と念じた。

 

 巨大ゴーレムは、巨大な腕で俺を覆って守った。


 俺は普通サイズのゴーレム達に、

『矢を放っている敵を地面に落ちている石を投げて攻撃しろ』と念じた。


 巨大ゴーレムの腕に覆われて何も見えないが、敵の

「グェッ」と言う声が聴こえた。


 しばらくして音がしなくなったので、巨大ゴーレムに『守りを解け。』と念じた。

 

 巨大ゴーレムは守りを解いた。

 

 俺は外に出て周囲を確認した。


 とてもグロかった。

 例えるなら潰れたトマト。

 頭部分だけない、原始人の格好した緑の生物の死体が転がっていた。


 俺のゴーレム怖っ!普通サイズでも、意外とそこそこ強いらしい。


 この死体達には申し訳ないがこの世界は弱肉強食だから、食料や武器やアイテムなど必要なものを奪わせてもらう。


 死体から弓矢と瓶に入った液体、獣の干し肉を奪った。

 奪ったものは俺の身体では大きくて運べないので普通サイズのゴーレム達に持たせた。


 俺は巨大ゴーレムに乗り、森の中を歩くのを再開した。

 

 


 

 


 

 

 


 


 

 

 


 

 

 

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