第7話 脱獄

 夜の間にこの牢獄から脱獄することにした。   

 


 幸運なことにまだ身体には、奴隷刻印もいれられていないからチャンスだ。


 闇ギルドの人間や奴隷商人などの大人達は、俺が魔法も使えない弱者と思い込んでいるようだし。


 まぁまだ『魔力循環』しかやっていないから魔法がうまく使えるかわからないけど···イチかバチかだ。

 でも、チートスキル【賢者】もあるし失敗はしないだろう。


 前に読んだ魔法基礎の本の内容で使えそうな属性魔法を考えていた。


 しばらく考えて、思いついた。


 そうだ·····土魔法いいんじゃないか。

 

 現世で読んだ異世界ファンタジー小説で、土魔法でできた巨大ゴーレムとかいたな。

強そうだし、もしかしたらそういうものならこの石壁も壊せるかもしれない。


 俺は、土魔法で巨大ゴーレムをつくる前に、練習で小さい埴輪はにわをつくることにした。


 俺は、前に読んだ魔法基礎の本に書いてあった

『魔法は、魔力循環ができれば想像力と魔力』と書いてあったのを思い出し、頭の中で土でできた小さい埴輪はにわを強くイメージをし、てのひらの上にそれが完成するイメージを強く念じた。

 

 すると、徐々に小さい埴輪はにわが出てきた。


 できあがった埴輪はにわに触れると硬かった。


 これはもしかして俺の魔力が高かったから硬くなったのか·····と思ったが、今は石壁を壊せるゴーレムをつくるのが先だ。


 頭の中でこの牢獄に入りきる大きさの土のゴーレムができるイメージをし、この石壁を壊せるぐらいの硬さで完成するイメージを強く念じた。

 

 すると、徐々にこの牢獄スレスレの高さのゴーレムが出てきた。 

 出てきたとき、魔力がどっと、なくなったのを感じた。


 できあがったゴーレムに触れるとさっきよりも硬かった。


 魔法基礎の本に書かれていたゴーレムの動かし方ので『ゴーレムは頭の中で念じた言葉で動く』と書いてあったからので、やってみた。 


 俺はゴーレムに『右手を上げろ』と念じた。


 ゴーレムは右手を上げた。

 次はゴーレムに『石壁を右手で壊せ』と念じた。


〈ボッカァーン·····〉と粉々に砕け散った。


 その音に闇ギルドの人間と奴隷商人が音に気づいて牢獄の方に向かって来る音がした。


 俺はマズイと思って、ゴーレムに『俺をお前の右肩にのせて外の方に逃げろ』と念じた。


 ゴーレムはその通りに、俺をゴーレムの右肩にのせて、外の方に逃げた。


 闇ギルドの人間達が追いかけて来たが、ゴーレムに『追いかけて来る人間に追いつかれない速度で走れ』と念じたら、動く速度が上がり無事逃げきれた。

 

 俺とゴーレムはいつの間にか森の中にいた。




 




 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る