平日の昼下がり

 昨日からうなされていた熱も目が覚めたら下がっていた。

 母は学校に休みの連絡をして仕事に出かけた。もちろん父もだ。

 体のだるさも無くなってきたため、パジャマから普段着に着替えて家を出る。

 晴々とした夏の手前の青空の下、河川敷へと向かう。堤防の上から川の方へと目を向ける。おじいさん、おばあさんがパークゴルフ、まだ幼稚園にも入ってない子供とお母さんが散歩をしていた。

 川の向こうに見える僕が通っている小学校からチャイムが聞こえた。それから数秒後には近所のお昼の鐘が聞こえてくる。

 「みんな給食の時間かな」なんて思いながら、河川敷の階段に腰を下ろす。

 普段は学校なんて行きたくないし、こうしてみんなが学校にいる時間に外から学校を見るといつもは閉じ込められていると改めて感じて窮屈さを感じるが、家に1人いても退屈で外に飛び出してしまっていたあたり、学校を楽しんでいたのかもしれない。

 ただ、たまにはこうして、平日の昼下がりにあてもなく外に出てみるのも、なんだか楽しい。

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