第4話

『ババババンッ!!

 この雑魚共が…!!』

 流星の脳裏には、現実世界のゲームでしていたあの死体撃ちのシーンが思い出されるのだった

「流星、君に背負う事は出来る…?

 その覚悟を…!」

 ネリスは問い掛ける

「…」

 言い返せない流星


「背負えないのなら、流星を戦場に立たせる事は出来ないし、この国に置いておく事も出来ない…」

「…背負ってやるよ

 命の重さも、覚悟も、何もかもその全てを…!!」

 流星は強くそう言い、ライフル銃を抱きかかえ直すのだった


 その日から流星の訓練は始まった

 銃などの装備一式を背負って走らされる日々

『くっ、くっ、くっ…』

 銃の反動に耐えながら、射撃訓練をする日々

 そして、訓練は実戦に近いものへと入っていく


『キュイーン…!』

 地面の所々に展開される魔法陣

 すると、次の瞬間

『ドゥンッ、ドゥンッ、ドゥンッ…!』

 岩の塊が地面から突き出してきて、遮蔽物を作り出す


「このように土の魔法で遮蔽物を作りながら、陰から狙撃する…

 そうすれば、被弾は防げる…」

 ネリスは自ら実演しながら、説明する

 更に

「あと、こんな風に…」

 と、新たな魔法陣を展開し

『ドゥーンッ!』

 天へと伸びる岩の足場作り出し、ネリスは駆け上がっていき、足場の先端まで行くと

『バンッ!』

 銃を地面に向かって、撃ち下ろした

「上から敵を撃ち抜く事も出来る…」

 ネリスはそう言うのだった


「これが、この世界の戦い方…

 流星に魔力がある事は調べて分かってる…

 あとは、想像するだけ…

 ちゃんと想像出来れば、岩も作り出せるし、銃弾そのものも作り出せる…

 魔法で装備のあらゆる物が賄えるようになる…」

「ネリスさんって、使えるの雷魔法だけじゃなかったんですね…?

 銃だって、雷を利用したレールガンでしたし…」

「確かに得意なのは雷魔法だけど…

 想像さえ出来れば、どんな魔法だって使えるようになる…

 それに土魔法は、地に足を着けた種族なら誰にだって使える…

 足の裏で1番感じ取ってるものだから…

 …それより訓練の続き」


 瞳を閉じて、想像する流星

『!!』

 次の瞬間、勢いよく目を見開き、駆け出す

『キュイーン、キュイーン、キュイーン…』

 流星の向かう先に、互い違いに魔法陣が現れ

『ドゥンッ、ドゥンッ、ドゥンッ!』

 岩の塊が互い違いに、徐々に高く階段状に突き出る

 そして、流星はそれを駆け上り、最後の岩を踏み台にジャンプすると

『ババババンッ!!』

 ライフル銃を連射しながら、飛び降りてくるのだった


 綺麗に着地する流星

「…ふぅ」

 流星はひと息ついてから、立ち上がり、ネリスの方を見詰めた

「あとは実戦でだな…

 近々、バニリカが再び侵攻してくる…!」

 ネリスはそう言う

『…!?

 戦いが始まる…!』

 流星の表情が少し強張るのであった

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