第3話

《この世界は、アーゼという異世界であった…

 此処は人類のみならず、魔族や魔物、エルフといった亜人も存在し、魔法という概念が認知された世界…

 また、亜人達との争いだけではなく、人間同士も資源や食糧などを巡って、常に争いが絶えない世界であった…》


《そして、俺を救ってくれたこの国ゼニランティスも、隣国バニリカと、資源や食糧、人材を巡って争っていた…

 更には、魔族達が住む領域も近く、彼等の侵攻も警戒しないといけない緊張状態の国であった…》


「君が異世界から来たという事は理解した…

 だが、私達も異世界人をずっと置いとける程、余裕がある訳では無い…」

 ゼニランティスで、軍の一師団を率いる銀髪の女性、ネリス・ライトニングは言うのだった

「じゃあ、どうしたら…?」

 困惑する青年

「言った筈…

 死にたくなかったら、銃を持ちなさいと…

 君が兵士として戦うというのなら、置いてあげても良い…」

「俺に戦えって…!?

 そんな事…」

「出来ないのなら、置いとけない…

 この国を出て行って…!」

『…』

 困惑した表情で、少し考える青年

「分かりました…!

 俺、戦います…!」

 青年はネリスの方を見詰め、強く言うのだった


 軍の訓練場

 軍服に着替えた青年

 身体の線が細い青年にとって、軍服は少しブカブカであった

「君…、いや

 流星・桐生…

 戦場で足を引っ張らない為にも、流星には強くなって貰わないと困る…

 その為にもまず、流星の今の身体能力を知る必要がある…」

 ネリスはライフル銃を手渡しながら、流星に言うのだった

 そのライフル銃を受け取る流星

 しかし、次の瞬間

「重っ…!」

 ライフル銃の重みに、体勢を崩す


「それ位も持てない…?

 そんな事では、戦場でそれを抱えて、動き回れないよ…」

「いや、銃が重すぎるんだって…!」

「それじゃあ、戦場で格好の的にでもなる…?」

「それだけは…!」


 すると、ネリスは言うのだった

「流星、何故、銃が重いか分かる…?」

「そんなの、銃だからに決まってるからだろ…!

 装置的な重み、銃弾の重みとか…」

「普通の答えはそう…

 でも、違う

 銃のその重み…

 それは命の重みだから…!」

「…?」


「敵にとっては命を奪い…

 味方にとっては命を守る…

 命を価値を認識させる為に、銃は重い…!

 銃の重さ=命の重さ…

 それを背負えた者だけが戦場に立てる…!」

 ネリスはそう強く言う

『…!』

 その瞬間、何かが思い当たる流星であった

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