.134『見果てぬ夜明けの色と名は』:Sestina

いまはる昔方むかしえわした

ちかいにしたがい 軍場いくさばこしら

しま未来みらいを いだ左手ひだりて

近付ちかづちからくのかみわら

今際いまわきざむ この黒羽くろはね

のぞままに めく


見果みはてぬ夜明よあけをのぞむ ゆめくれ

偉大いだい遺骸いがいと ちかいをわした

貴様きさまらをかならず このとむらいのかね

きざんだ詩歌しかが えがいたそら

いただきれてく めぐ天空てんくうとら

見渡みわたかぎりの星屑ほしくずをこの左手ひだりて


わえはる昔方むかしえ右手みぎて

ひかりししずくしずめたくれ

きわ鬼胎きたいと 黄落こうらく こら

ひかえる干涸ひからやみともした

為業しわざ風巻しま戦火せんかこしら

のぞままにこの羽根はね


見果みはてぬ夜明よあけをおこしたかね

至大しだい芝居しばい詩歌しかそそ

久方ひさかたひかりも ほろびのかげながら

日射ひざしのかばね月夜つきよかく

したたったゆめうつつうつったあした

見渡みわたかぎりの星屑ほしくずあざなわら


委細いさいかまわずいさんではくさいくさあつら

気先きさき背負せおきっさきさきへとけてかばね

四塞しさいした軍場いくさばで あかつきかついで渇望かつぼうした

今際いまわきざわれらをだれもが未踏みとうてへ

気前きまえ御使みつかいよ そのほのおみちびいてくれ

風巻しま天理てんりいただく 紫黒しこくまったそら


見果みはてぬ夜明よあけのいろこしら

肥大化ひだいかしたと ちかいへとわら

貴様きさまらをかならずこのほむら

きざんだ 気逆きざかいな闇夜やみよ羽根はね

直隠ひたかくみちびく 月磨つきみが両手もろて

見渡みわたかぎりのほのおへとこぼした


ちから羅列られつした裂罅れっか破滅はめつとら

飢渇きかつかつかててへめぐめぐわれらへ

ひかりを 黒羽くろはね夜明よあけを もたらしてくれ

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