L×R

.135『vítl kɑ́nstəlèit』:Quatrain

神子（みこ）様（さま）　そう呼（よ）ばれ開（ひら）いた双眸（そうぼう）

しっとりとした眦（まなじり）を笑（え）みで飾（かざ）り

御言（みこと）と共（とも）に告（つ）ぐ　行（ゆ）きましょう

至当（しとう）な処置（しょち）を下（くだ）すべく上（あ）がる錨（いかり）

厳（いか）めしい騎士（きし）共（ども）を供（とも）に灯（とも）す　竜（りゅう）の獄屋（ごくや）

今（いま）や死期（しき）も忘（わす）れ　詩（し）を商（あきな）い　戦（いくさ）と苦惨（くさん）

狂（いか）れた島国（しまぐに）　嗄（か）れた朱（しゅ）に衝（つ）き立（た）つ毒矢（どくや）

忌（い）ま忌（い）ましい限（かぎ）りね　蒼（あお）い冒瀆者（ぼうとくしゃ）さん

いつも好（す）き勝手（かって）暴（あば）れる　赫（あか）い悪魔（あくま）さん

幼気（いたいけ）なおいたで痛（いた）みをばら撒（ま）く連合野（れんごうや）

柩（ひつぎ）の数（かず）は八百万（やおよろず）　はち切（き）れた祈望（きぼう）と願（がん）

混（ひたた）けて祈（いの）りか遊（あそ）びかももはやあやふや

左（ひだり）へ右（みぎ）へ動（うご）くことのない不動（ふどう）の秤（はかり）

悲鳴（ひめい）さえ灼（や）く情熱（じょうねつ）を讃（たた）えましょう

乱（みだ）りに救（すく）い　自（みずか）ら　御使（みつか）いを騙（かた）り

未明（みめい）さえ妬（や）く上策（じょうさく）を讃（たた）えましょう

火（ひ）と火（ひ）を重（かさ）ねながら神饌（みけ）を鏤（ちりば）めましょう

いつまでも色（いろ）褪（あ）せない　愛（かな）しい愛（あい）の物語（ものがたり）

一人（ひとり）でママを捜（さが）しているのかしらね坊（ぼう）や

いつも泣（な）いてばかりね　蒼（あお）い冒瀆者（ぼうとくしゃ）さん

いつ見（み）ても愛（あい）らしい子（こ）ね　赫（あか）い悪魔（あくま）さん