.133『いずれは醒める夢であろうと』:Terza rima

いつも あなたは わらっていたっけ

しずかにまわ風車ふうしゃのようなささやかな

いつまでも めぐつづけると おもっていたっけ


きずくほど気遣きづかって きず二人ふたり

終末しゅうまつなんていていたでしょう

気付きづかない ないようにしていたくさり


みっともないこころ今日きょうきしろう

いくらせまさけぼうとそんな叫声きょうせいさえ

二頭にとうけものにかかりまれるでしょう


傷口きずぐちうためのいとたずさわえ

いつかた たしかなかなしいひかりいだ

しずかに微笑ほほえんだ あなたのかげへとうた


いつもあなたを からかっていたっけ

しずかにまる流砂りゅうさのような はかな日々ひび

いつまでもながつづけると おもっていたっけ


しずむほどしずまって しずくれた舞台ぶたい

避忌ひきするおく戯曲ぎきょくが へと嘔吐えずいて血迷ちまよ

しずかな にわ二人ふたり 微睡まどろむくらいが


きっとちょうどかったようにおも

いくらねがのぞもうと そんな流星りゅうせいさえ

二頭にとうけものにかかりされるでしょう


傷薬きずぐすりるだけのゆびつめてくわ

いつからかからんだ からみにもわけ

きずきたくなくて 架空かくう夜明よあけをこさ


いずれはめるゆめかれわえたぶんだけ

一人ひとり嘔吐えずき 踰越ゆえつしたねつに かってまつろ

みずかはなれたあなたとただ わらっていたいだけ


みっともないこころ今日きょう十六夜いざよ

幾多いくたゆめ おもが んだ笑声しょうせいさえ

二頭にとうけものにかかりくされるでしょう


傷痕きずあとぬぐうだけの甲斐かいもないせいまえ

いつかまた とあまあわかた期待きたいくだ

しずかに微笑ほほえんだ あなたのかなしいかおさえ


しずめため たのむよあとすこしだけ

いずれはめるゆめであろうとあとすこしだけ

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