.115『ⅴ.ⅴ』:Sestina

とおったあの言葉ことばをまたきたいよ

つきかぶふかよるに あかゆめたいよ

かえ譫言うわごとごとやすほのおかりを

れる不和ふわおとうとんずるくろから

悲鳴ひめいしめすように あか

がったほのおは わりへと 呻吟さまよ


ゆび一二三ひふみって さあかぞえよう

ふるびたおもと 微睡まどろんでいたいよ

薬指くすりゆびまでって ずっとおもかえしてる

くるあかほのおでも まるでものりないよ

くるおしくうるわしいあかをあなたとたいから

ゆびそばばそう あなたをらすひかり


とおったあの言葉ことばを あかゆびりを

すさくらよるならい ゆめへと呻吟さまよ

かえ爪音つまおとごとやす ほのおなかから

げる不摩ふまおと苦悶くもんこえ零余れいよ

悲鳴ひめいめるほのおさえあったかいよ

わたったこのそら らして うたってる


ゆび一二三ひふみって なおかぞえてる

ふるびたこのゆめをなぞるあかかりを

薬指くすりゆびまでって ずっとおもっていたいよ

くるあかほのおの 小夜さよもとめよう

くるおしくうるわしいあかで あなたへとれたいよ

ゆびばしつなごう あなたはすぐにくから


ふるびたあの約束やくそくを たしたいから

ふるたけよる一人ひとりあなたをもとめてる

くるしいよ きたいよ まもりたいよ

ふるえるいのちと 血糊ちのりの いろどったいのりを

ふるって すすって むすんで うずめよう

くるおしいくれないに あなたとれたいよ


ゆび一二三ひふみってかぞえていたいよ

ふるびたおもを 辿たどつづけたいから

薬指くすりゆびまでって ずっとおもっていよう

くるあかほのおと うるあおほのおってる

くるおしくうるわしいほしで あなたとわりを

ゆびつなうたおう いてなんていないよ


くるしくないよ うそなんかじゃないよ

ふるびたゆびりを いまおぼえているから

くるおしく 夜明よあけを 二人ふたりよう

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