L×R

『ハールート』

鳴（な）るお似合（にあ）いの鈴（すず）　丸（まる）まる体（からだ）摩（さす）る

あるのに無（な）いと言（い）い張（は）る爪（つめ）　やめろ

懐（なつ）っこいけど　飽（あ）きっぽい猫（ねこ）

晴（は）るく音（ね）が振（ふ）ゆ　巣（す）でまた弾（はず）む

回（まわ）る時（とき）は溶（と）ける砂（すな）時計（どけい）

逸（はや）ると余計（よけい）遠（とお）くなる憧憬（どうけい）の音（ね）

唯（ただ）ずっと睨（にら）め競（くら）をしてた目（め）に

目映（まばゆ）い日（ひ）の目（め）　飛（と）び込（こ）んで言（こと）の葉（は）へ零（こぼ）れ

晴（は）る時（とき）の耀（かがよ）い出（だ）した朝（あした）に

鳴（な）る笛（ふえ）の音（ね）を夢（ゆめ）の音（ね）と触（ふ）れ込（こ）んで

なるようになるって追（お）う跫音（きょうおん）で

歩（ある）く笑（え）んだ空（そら）　踏（ふ）んでまた駆（か）く明日（あした）に

満塁（まんるい）策（さく）　いとおかしと気（き）を吐（は）いて

残涙（ざんるい）で踏（ふ）ん張（ば）るような日々（ひび）を踏（ふ）み返（かえ）した

完封（かんぷう）負（ま）け間近（まぢか）の　悪夢（あくむ）に火（ひ）も吐（は）いて

案（あん）ずる失策（しっさく）　いいやおやすみ　また明日（あした）

狎（な）る折（お）り合（あ）いの渦（うず）　遙々（はるばる）彼方（かなた）霞（かす）む

あるのに無（な）いと言（い）い張（は）る夢（ゆめ）さえも

丸（まる）っこい手（て）と　ガキっぽい根（ね）っこ

鳴（な）る腕（うで）が振（ふ）る　筆（ふで）が片（かた）ずむ

渡（わた）る鳥（とり）が込（こ）める歌声（うたごえ）に

離（はな）る遠音（とおね）に遠（とお）くなる透明（とうめい）の目（め）

間（ま）怠（だる）っこい破滅（はめつ）が聳（そび）えた画（え）に

目映（まばゆ）い日（ひ）の目（め）　織（お）り込（こ）んで大空（おおぞら）へ熾（おこ）せ

腫（は）る時（とき）も漂（ただよ）い出（だ）した朝（あした）に

去（さ）る胸（むね）の音（ね）の故（ゆえ）も是（ぜ）も詰（つ）め込（こ）んで

なるようになるって沿（そ）う高温（こうおん）で

丸（まる）く笑（え）んだ空（そら）　澄（す）んで輝（かがや）く街（まち）並（な）み

襤褸（らんる）引（ひ）っ掻（か）く　白（しろ）の足（あし）と詩（し）を書（か）いて

残塁（ざんるい）で踏（ふ）ん張（ば）るような日々（ひび）を踏（ふ）み返（かえ）した

暖風（だんぷう）が狭（せま）い窓（まど）　煽（あふ）る四季（しき）を撒（ま）いて

参（さん）ずる逼迫（ひっぱく）　いいやおやすみ　また明日（あした）

アルコールが招（お）く責（せ）め苦（く）は永遠（とわ）に

なるだけ遠（とお）くへと御蔵（おくら）の奥（おく）へと置（お）く

春（はる）透（とお）る歌曲（かきょく）で　祈（ね）ぐまほらに

然（さ）る空（そら）駆（か）ける　あの鳥（とり）のように遠（とお）く

春鳥（はるとり）の彷徨（さまよ）い出（だ）した朝（あした）に

駆（か）る吭（ふえ）を手（て）を不壊（ふえ）の音（ね）を埋（う）め込（こ）んで

なるようになるって訪（と）う号音（ごうおん）へ

軽（かる）く笑（え）んだ空（そら）　踏（ふ）んで羽撃（はばた）く明日（あした）に

万縷（ばんる）に咲（さ）く　色（いろ）も形（なり）も潮騒（しおさい）へ

煩累（はんるい）で倦（う）んだ苦悩（くのう）や悲喜（ひき）を踏（ふ）み返（かえ）した

軟風（なんぷう）撫（な）ぜ街角（まちかど）　歩（ある）く息（いき）を抱（だ）いて

弾（だん）ずる一拍（いっぱく）　詩（し）に宿（やど）った海（うみ）　表（あらわ）した

有（あ）る限（かぎ）り駆（か）ける　この未知（みち）の

遙（はる）か地（ち）に繋（か）ける　この道（みち）を