.002『遙か冬の戯れ歌』 : Quatrain

あらたな堕落だらくわらうは瓦落多がらくた

たからかにかかなからす魔歌まがうた

あたまなかまでさらぼからだ

あたか墓場はかば彷徨さまよから


他愛たわい那由多なゆた戯言たわごと

がりなりにもあいうたから

形見かたみばかりかたらした肌身はだみ

またひたた水泡みなわまか


はるゆしがない陽炎かげろうのような

落索らくさくしたで はずますもしがこえ

懺悔ざんげすがれた古江ふるえ

枕辺まくらべさだめめとまぐわうた


莫迦ばか打算ださんかさんではんでた賛歌さんか

あやまったこころ真赤まあかごう

枷鎖かさころろき いたあさひかり

朝間あさま数多あまたのあなたと微睡まどろんだ


あらたな奈落ならくであやふやな落差らくさ

あららかにかがや硝子がらす玉響たまゆら

彼方かなたあさ耀かがよ最中さなか

からださらば呻吟さまよざま


たわ那由多なゆた飯事ままごと

らしたいきあいうた莫迦ばかみたい

片荷かたにばかりかりらした花実はなみ

またしたたにわか見境みさかい


はるふゆしかない蜉蝣かげろうのような

落莫らくばくとした はふらすもしたこえ

散華さんげつたえた行方ゆくえ

なぐさめになさけとなずさうた


彼方かなた晩気ばんげからんで破顔はがんたわんだ

あがなったところで花香はながうに

かたおののき いたなだいた

墓場はかば狭間はざまのあなたをなおんだ


たわむれにしたこい

ただ無下むげにした好意こうい

たわ連理れんりこずえわいましょう

はなにしたこい

はなむけ行為こうい

ただてんそこけにゆがまよ


はるふゆしがらみ かげ歩様ほよう

落度らくたく調しらべ あゆがすもしらこえ

爛壊らんえあつらえた古枝ふるえ

かぜたわれと揺蕩たゆたうた


莫迦ばか茶番ちゃばんならんで鎖龕さがんでしゃがんだ

あやまったところであなたはもういない

はなほころび いたからいら

あなたとわらったの あなたのんだ


はる かなでるは

はるふゆたわうた

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