L×R

.113『ⅴ』:8va rima

ついついふいにしちゃいバイバイ

次々（つぎつぎ）　過（す）ぎ去（さ）る時間（じかん）は後悔（こうかい）ばかり

ぐいぐい　ぶいぶい　注（つ）ぎ足（た）した玉杯（ぎょくはい）

無愧（むぎ）紡（つむ）ぎ　しょっちゅう零（こぼ）れる心懸（こころが）かり

初々（ういうい）しい　三文（さんもん）芝居（しばい）は　さもしみが一杯（いっぱい）

釘（くぎ）付（づ）け　素（す）でずけずけ告（つ）げすげえ罵詈（ばり）

疲（つか）れた　もう無理（むり）だ　向（む）いてない

浮（う）かれた隣（となり）の席（せき）の若造（わかぞう）が五月蝿（うるさ）い

不快（ふかい）な仲間（なかま）たちと　深酒（ふかざけ）喰（く）らい乾杯（かんぱい）

ぐいぐい　ぶいぶい　うるせえと心（こころ）で嗄（か）らす

吐（ぬ）かしたところで　小声（こごえ）では奴（やつ）らは止（と）まらない

ぶいぶいと円卓上（えんたくじょう）　ピースなボイス撒（ま）き散（ち）らす

首魁（しゅかい）と思（おぼ）しき少女（しょうじょ）の音頭（おんど）　躍（おど）り戯（おど）けて踊（おど）る集会（しゅうかい）

ぶいぶいと　若造共（わかぞうども）も　二本指（にほんゆび）を立（た）てて揺（ゆ）らす

次々（つぎつぎ）と沸（わ）き上（あ）がる　不可思議（ふかしぎ）な儀式（ぎしき）に鬱（ふさ）がり

注（つ）ぎ飲（の）み塞（ふさ）ぐ耳目（じもく）蝕（むしば）む　少女（しょうじょ）の語（かた）り

過（す）ぎたこと　済（す）んだこと　拗（す）ねてばかり

ついついふいにしちゃう出逢（であ）いにくたびれた先輩（せんぱい）

次（つぎ）　区切（くぎ）り　踏（ふ）ん切（ぎ）り　ぎくしゃくな自分（じぶん）を責（せ）めたり

悔（く）いることにも飽（あ）きたら　にこにこ　にこやかに笑（わら）い

過（す）ぎ去（さ）った日々（ひび）を集（あつ）めたり　忘（わす）れたりして　ゆったり

ぶいぶいで　にこにこな明日（あす）への扉（とびら）を開（あ）けてみない？

ぶいぶい言（ゆ）う割（わり）に一理（いちり）ある　埋（うず）める面（つら）上（あ）げ揺（ゆ）らす

ぶいぶい　ぶいぶい　二本（にほん）の指（ゆび）を揺（ゆ）らす

食（く）い切（き）り　飲（の）み切（き）り　切（き）り上（あ）げ家路（いえじ）を照（て）らす

すかした街（まち）の光（ひかり）に　揺（ゆ）らした光（ひかり）に浮（う）かぶ後悔（こうかい）

涙腺（るいせん）は依然（いぜん）緩（ゆる）い　微温（ぬる）い空気（くうき）へ　そっと曝（さら）す

迂回（うかい）する帰（かえ）り道（みち）　二人（ふたり）で歩（ある）いた思（おも）い出（で）の集塊（しゅうかい）

悔（く）いもある　救（すく）いもある　ゆっくり　繰（く）り返（かえ）し　思（おも）い出（だ）す

愉快（ゆかい）なこと　浮（う）かれたこと　あなたのことを思（おも）っていたい

終（つい）を悔（く）い　対（つい）すピースの指（ゆび）繋（つな）げ合（あ）い

ぶいぶい　半分（はんぶん）こにして　バイバイ