L×R

.104『ライフルライフ』:Virelai

単発（たんぱつ）の割（わり）には　侘（わび）しい限（かぎ）り　拍子（ひょうし）抜（ぬ）け

安牌（あんぱい）　暴牌（ぼうはい）　野暮（やぼ）な野望（やぼう）　全（すべ）て透（す）け透（す）け

耐性（たいせい）高（たか）めな肺腑（はいふ）は薄（うす）っぺらで見栄（みえ）っ張（ぱ）りだ

何発（なんぱつ）撃（う）とうと　うとうと　夢路（ゆめじ）に誘（さそ）う道化（どうけ）

乾杯（かんぱい）　惨敗（ざんぱい）　完敗（かんぱい）した現実（リアル）に　背（せ）を向（む）け

敗戦（はいせん）を　凱旋（がいせん）と　一人（ひとり）騒（さわ）いでは燥（はしゃ）いだ

大先輩（だいせんぱい）の物真似（ものまね）に　勤（いそ）しんでいる間（あいだ）

大成（たいせい）する未来（みらい）に浸（ひた）っていたみたいだ

欠（か）けていた避（さ）けて来（き）た　嘘（うそ）に満（み）ちた命（いのち）へ

回生（かいせい）の光（ひかり）　浴（あ）びせる　愛（あい）する月（つき）の　咳唾（がいだ）

解説（かいせつ）は結構（けっこう）さ　トリッキーな導（みちび）きだ

負（ま）けん気（き）と元気（げんき）で決起（けっき）したるぜ見得（みえ）

駆（か）けるだけじゃ足（た）りなくて引（ひ）き裂（さ）いた私記（しき）へ

叫（さけ）んだって仕方（しかた）ねえ　うそうそと詩歌（しか）を交（まじ）え

走（はし）ったり止（と）まったりして新（あら）たな四季（しき）と出逢（であ）い

なけなしの音差（ねざ）し　照（て）らし　灼（あら）たな始（はじ）まりへ

賭（か）けたコインの表裏（おもてうら）　この手札（てふだ）に映（うつ）る　写（うつ）し絵（え）

増（ま）し続（つづ）けた標的（ひょうてき）へその銃（じゅう）で撃（う）て　心（しん）の臓（ぞう）を狙（ねら）い

マシンガンに慣（な）れて荒（あ）れた　疎（おろそ）かな狙（ねら）い

驀地（まっしぐら）に走（はし）るだけのやけに厳（おごそ）かな詩（し）を歌（うた）い

巌々（がんがん）たる高嶺（たかね）を　果敢無（はかな）き茜（あかね）を潜（くぐ）り抜（ぬ）け

羅針図（らしんず）ひとつ　描（えが）いて　東（ひがし）の果（は）ての天涯（てんがい）

指（さ）した銃口（じゅうこう）の真（ま）っ赤（か）な嘯（うそ）と　何（なに）より赫（あか）い

弾丸（だんがん）に夢想（むそう）と嘘（うそ）を込（こ）め　魂（たましい）さえ撃（う）ち抜（ぬ）け