L×R

.006『#badcad』 : Quatrain

結（むす）び目（め）が崩（くず）れ始（はじ）めた途端（とたん）に

薄（うす）汚（ぎたな）さが疼（うず）き出（だ）す　そんな感（かん）じ

結（むす）んだ頃（ころ）は　好（この）ましかったこの風（かぜ）も

舂（うすづ）く二人（ふたり）には　悍（おぞ）ましいだけでしょ

薄（うす）汚（ぎたな）い嘘（うそ）を塗（ぬ）って吐（は）いて

涼（すず）しげな顔（かお）して触（ふ）れないで

薄（うすら）寒（さむ）いことばかり足（た）さないで

埋（うず）もれた日々（ひび）掘（ほ）り起（お）こし描（えが）いた

薄（うす）い渦（うず）で濯（すす）ぎ続（つづ）けすぐにまた燻（くす）み音（ね）を上（あ）げ

薄（うす）ら日（び）のような光（ひかり）が灼（や）いた

薄（うす）暗（ぐら）くなった　あの永遠（とわ）へ

繰（く）る刳（く）る時（とき）の白光（はっこう）が百歩（ひゃっぽ）二百歩（にひゃっぽ）

譲（ゆず）ってあの色（いろ）へと直（なお）してくれればと

屑（くず）の発想（はっそう）が頭（あたま）をなぞってたの

古（ふる）びたあの影（かげ）は今日（きょう）も薄（うす）い笑顔（えがお）

結（むす）び目（め）が剝（むく）れ弾（はじ）けた途端（とたん）に

薄（うす）汚（ぎたな）さが疼（うず）き出（だ）す　そんな感（かん）じ

結（むす）んだ言葉（ことば）　望（のぞ）ましかったこの鐘（かね）も

舂（うすづ）く二人（ふたり）には　悍（おぞ）ましいだけでしょ

薄（うす）汚（ぎたな）い嘘（うそ）を塗（ぬ）って吐（は）いて

苦（くる）しげな顔（かお）してくれないね

薄（うすら）寒（さむ）いことばかり囁（ささや）いて

薄（うす）暈（ぼ）けた日々（ひび）押（お）し殺（ころ）し願（ねが）いは

愚図（ぐず）り続（つづ）け噤（つぐ）み震（ふる）えすぐにまた愚図（ぐず）り音（ね）を上（あ）げ

薄（うす）玻璃（はり）のような期待（きたい）ばかりが

薄（うす）暗（ぐら）くなった　葉（は）を捕（とら）え

触（ふ）る狂（ふ）る鳥（とり）の雑踏（ざっとう）や闊歩（かっぽ）にさっと

譲（ゆず）ってあの人（ひと）へと醸（かも）してくれればと

屑（くず）の葛藤（かっとう）があなたを辿（たど）ってたの

古（ふる）びた黄昏（たそがれ）は今日（きょう）も微温（ぬる）い笑顔（えがお）

鈴（すず）の音（ね）を下（さ）げて結（ゆ）わえた声（こえ）に

産声（うぶごえ）を上（あ）げて生（う）まれた嫉（そね）み

憤（ふづく）む儘（まま）に零（あや）し　離（はな）れた声（こえ）に

愚図愚図（ぐずぐず）騒（さわ）ぎ嗄（か）らし爛（ただ）れた骨身（ほねみ）

頽（くずお）れた日々（ひび）取（と）り残（のこ）し世界（せかい）は

進（すす）み続（つづ）け結（むす）び続（つづ）けすぐにまた篩（ふるい）へと掛（か）け

薄（うす）ら氷（び）のような誓（ちか）いばかりが

薄（うす）暗（ぐら）くなった　あの空（そら）へ

揺（ゆ）る許（ゆ）る時（とき）の薬効（やっこう）がぱっときらっと

奮（ふる）ってあの色（いろ）へと治（なお）してくれればと

屑（くず）の白虹（はっこう）が頭（あたま）を​​囲（かこ）ってたの

古（ふる）びた過去（かこ）だけが今日（きょう）も疼（うず）いてたの

梅桃（ゆすら）摩（さす）る手（て）　揺（ゆ）すり叩（たた）く手（て）　愚図（ぐず）ってはまた笑（わら）って

薄（うす）ら寒（さむ）くて　薄（うす）汚（ぎたな）くて　薄（うす）っぺらなあなたへ