L×R

.005『ムシュフシュ』 : Quatrain

む　重厚（じゅうこう）な詩（し）を閃（ひらめ）いた

無重力下（むじゅうりょくか）　無数（むすう）の句（く）が

むずむず渦（うず）巻（ま）き詩歌（しか）へ今（いま）

無住（むじゅう）の陸（くが）　酬（むく）う縁（よすが）　独特（どくとく）な毒牙（どくが）でも研（と）ぐか

銃刀法（じゅうとうほう）も口（く）籠（ごも）る工房（こうぼう）の筆（ふで）の光芒（こうぼう）

就労（しゅうろう）の苦労（くろう）　はいもう廃忘（はいもう）　はいよ拝送（はいそう）

衆芳（しゅうほう）はこちら　不毛（ふもう）な誣誷（ふもう）は麓（ふもと）の方（ほう）さ

秀峰（しゅうほう）臨（のぞ）んで嘯（うそぶ）きながらうそうそ浮葉（ふよう）と今日（きょう）も踏（ふ）もうか

収拾（しゅうしゅう）つかねえ詩（し）を描（えが）いて竜（りゅう）を目指（めざ）せ

週休（しゅうきゅう）000でのフル稼働（かどう）で振（ふ）るう筆（ふで）は腕（うで）に来（く）るだろうぜ

集中（しゅうちゅう）してもせんでもてんで踏（ふ）めねえ　それでも書（か）け

愁雲（しゅううん）さえも呑（の）み込（こ）んだ無名（むめい）の残照（ざんしょう）へ

無（む）趣味（しゅみ）無味（むみ）無臭（むしゅう）の主人公（しゅじんこう）が

腐臭（ふしゅう）を滾（たぎ）らせ踏（ふ）み出（だ）した

種々（しゅしゅ）のお話（はなし）が成（な）した長蛇（ちょうだ）

無終（むしゅう）の腐臭（ふしゅう）を鏈（くさ）り謳（うた）う詩歌（しか）

ふ　重厚（じゅうこう）な詩（し）を閃（ひらめ）いた

腐臭（ふしゅう）の句（く）が　負数（ふすう）の苦（く）が

沸々（ふつふつ）ぶつやき詩歌（しか）へ今（いま）

不住（ふじゅう）の陸（くが）　震（ふる）う玉座（ぎょくざ）　独特（どくとく）な独話（どくわ）で酔（よ）っとくか

銃口（じゅうこう）も嘯（うそ）　口（く）籠（ごも）る攻防（こうぼう）と腕（うで）の光芒（こうぼう）

醜陋（しゅうろう）の苦労（くろう）　はいもう拝納（はいのう）　敗余（はいよ）敗走（はいそう）

衆口（しゅうこう）が怖（お）じた　不等（ふとう）や不幸（ふこう）が懐（ふところ）覆（お）うが

醜行（しゅうこう）も詠（よ）んで嘯（うそぶ）きながらうそうそ符頭（ふとう）と今日（きょう）も征（ゆ）こうか

収入（しゅうにゅう）すらねえ詩（し）を描（えが）いて竜（りゅう）を目指（めざ）せ

週給（しゅうきゅう）000でのフル稼働（かどう）で振（ふ）るう腕（うで）は既（すで）に恙（つつが）も失（う）せ

羞渋（しゅうじゅう）しても笑（え）んでも笑（え）んでくれねえ　それでも書（か）け

醜聞（しゅうぶん）さえも綴（と）じ込（こ）んだ無名（むめい）の残響（ざんきょう）で

不（ふ）首尾（しゅび）不備（ふび）俘囚（ふしゅう）の主人公（しゅじんこう）が

無終（むしゅう）の旅（たび）駆（か）け踏（ふ）み出（だ）した

種々（しゅしゅ）のお話（はなし）が差（さ）した滂沱（ぼうだ）

無終（むしゅう）の俘囚（ふしゅう）の鎖（くさり）詠（うた）う詩歌（しか）

生（う）まれ一（ひと）つで蛇蠍（だかつ）扱（あつか）い

踏（ふ）まれ獅子吼（ししく）する蟒蛇（やまかがち）

ふらめく吭（ふえ）　鷲（わし）掴（づか）みにし描（えが）け

揺（ゆ）らめく無数（むすう）の負数（ふすう）を　朱（しゅ）に染（そ）め書（か）け

無臭（むしゅう）も腐臭（ふしゅう）も全（すべ）て統（す）べて綴（と）じ込（こ）め

無終（むしゅう）の俘囚（ふしゅう）の筆（ふで）で全（すべ）て呑（の）み込（こ）め