1209 眞子のなりのケジメ

 破瓜に耐えられなかった眞子だったが。

それでも崇秀が優しく慰めてくれたので、取り敢えずは、事なきを得たのだが……


***


 ……まぁ、そんな情けない結末を迎えてしまったのにも拘らず。

今現在、裸のままで、まだ布団の中でギュッと優しく崇秀さんに抱き締めて貰ってる形で居る訳なんですけどね。


これじゃあ、あまりにも情けな過ぎるので『せめて、なにか出来無いかなぁ』って模索してたら。

ある事なら『今の私にでも出来るんじゃないかなぁ?』って事に気が付いた事が有ったのよ。


だから早速、それを実行すべく。



「あの……崇秀さん」

「んあ?どうした?この状態が苦しくなってきたか?」

「あぁ、いやいや。とんでもないですよ。寧ろ一生このまま、眞子を優しく包んでくれてても結構なんですよ」

「そうなんか?まぁつっても、お互い立場が有るから、流石に、一生このままって訳にはイカネェけどな」

「ですね」

「……っで、なんなんだよ?」


それは秘密です。


まだちょっと、この行為を、口に出して言うのは精神的に恥ずかしいですから、秘密です。

そこは実体験をして下さい。



「あの、あのね。こんな時に成んなんだけど、私、崇秀さんに、お願いが1つ有るの」

「お願いだと?あぁ、なんだよ?なにをして欲しいんだ?正直に言ってみろよ」

「えぇっと、あのね。じゃあ、ちょっとの間、眼を瞑ってて貰って良い?」

「はぁ?眼を瞑るって、なんだよ?なんだその願い事は?」


不確定な事を言われて気持ち悪い気持ちになるのは重々い承知してるんだけど、此処では敢えて深く追求しないで。


それを説明する事自体は、非常に簡単な事なのですが。

今の状態で、まで口にだしては、とても説明出来そうにないですから。



「いや、あのね。いつも、こんなに眞子を大切にしてくれてる崇秀さんに、お礼がしたいなぁって思ってさぁ。……でもね。まだ、ちょっと恥ずかしいから、それが終わるまで、眼を瞑ってて欲しい訳ですよ。そんな理由じゃダメですかね?」

「ちょっと待て。事情は分かったけど、オマエ、なにする気だ?」

「えっ、えぇっと、それは……」

「その様子じゃあ、また思い付きだけで、ロクデモナイ事をしようと企んでるんじゃないだろうな」

「えぇっと……ソンナノハ考エテナイヨ(棒読み)」


なんで思い付きだって解ったの?


でも、例え思い付きであっても、そんな風に言う程、特別ロクデモナイ行為でもないと思うよ。

女の子なら、いつしか誰しもがみんな通る道だろうし、恋人同士なら尚更、極々普通に行われる行為の筈だしね。



「ダメだな。その顔は100%ロクデモナイ事をしようとしてる時の顔だ」

「大丈夫だよ。だから、そんな事を言わないでさぁ。お願い、お願いだからさぁ。ちょっとだけで良いから眼を瞑っててよ。悪さとかしないからさぁ。お願いします。今回だけ我儘聞いて下さい」


じゃないと、不意打ちで強引にやっちゃいますよ。


……とは言っても。

それじゃあ余りにも雰囲気がないし、最後までしてあげられないかも知れないから、出来れば此処で崇秀さんには折れて欲しい。


矢張り崇秀さんにそれを堪能して貰わなきゃ、なんの意味がないですからね。


此処は強引じゃダメなんです。


そんな訳なんで、真剣な眼差しで訴え掛けてみましょう。



「あぁ、もぉ、解ったよ」

「本当♪」

「但しだ。俺がダメだと判断したら、直ぐに辞めさせるからな。その条件で良いならOKしとくよ」

「あぁ、うん。それは大丈夫。これは私からのお礼と、ケジメの話だから」


そぉ……これはケジメの話なのですよ。


こう言う重要なイベントの際、今みたいな状態で有耶無耶な形で終わるのは良くないからね。

特に今回の様に、私側に非があって、こんな風に良くない形で終わってしまっている訳だから、尚更良くないと私は感じる。


だからこそ、此処で私なりに、ちゃんとケジメを付けなきゃイケナイ訳ですよ。


ご理解いただけましたか?



「はぁ?ケジメだと?だったら、やっぱダメだ」


ご理解頂けませんでしたね。


っと言うか、私が「ケジメ」なんて余計な事を言っちゃったから、崇秀さんの警戒心を上げてしまった様ですな。



「なんでよぉ?」

「此処でケジメなんて言葉が出て来る事自体、オマエが、本当にロクデモナイ事を考えてる証拠じゃねぇかよ。だから絶対にダメだ。その願いは聞き入れられない」

「もぉ!!男が一回口に出した事を、そう易々と引っ込めないの。そう言うの良くないよ」

「ぐっ……」

「だから此処は1つ、私を信じて大人しく眼を瞑って下さい。本当の本当に、恋人同士なら極当たり前の事をするだけだから」

「クッソ。コイツだけは、ホントこんな時だけは上手い事言いやがるな」

「そこは女ですから、こう言うへ理屈は得意中の得意なのですよ。……ってか、そんな口論は良いからさ。早く眼を瞑って」

「はいはい、わかったよ。但し、ほんとロクデモナイ事はするなよ」

「はいは~~い♪」

「……不安だ。いや寧ろ、もぉ嫌な予感しかしねぇ」


ご安心下さい。

本当の本当に極普通の事をするだけですから、嫌な予感は払拭して下さって大丈夫ですよ。


私が、そう思って居たら、崇秀さんは約束通り、ちゃんと眼を瞑っていてくれていた。


……って、言う訳なんで!!


それを確認できたので、速攻で私は布団に潜り込んで。


『はむ』


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


眞子、また何やらロクデモナイ事を思い付いたみたいですね。

まぁ、この辺は、毎度毎度の事なのですが、彼女も彼女なりに本気でケジメを付けたくてやろうとしてる行為なので。

此処は1つ、なにを仕出かすのかを、生暖かい目で見守ってあげて下さい。


さてさて、そんな感じではあるのですが。

眞子は、本当に何をしようとしているのか?


そして最後の「はむっ」は一体何だったのか?


次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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