1206 最後の分水嶺を超えて尚
こたつでの会話や、風呂場や洗面所での出来事(話に夢中に成ってパイナップル頭にされた事)で、不本意ながらも、ややリラックス出来た眞子。
なので後は、部屋に戻って……
***
なんて心の不平不満を垂れながらも、いよいよ部屋に戻ったんだけど……
なんかねぇ。
此処に来た瞬間から、さっきまでの和らいだ気持ちはどこへやら。
部屋に敷かれているいつもの布団を見ただけで、異様なまでのプレッシャーを感じる。
今更ながら……どうしよっか?
けどもぉ、引き返す分水嶺は、とっくの昔に過ぎちゃってるしなぁ。
うにゃあ~~どうしよう?
さっきの風呂場での一件で、一応は少しリラックスは出来たけど、まだ、なんか怖いぞぉ。
「んあ?どうかしたか?」
「いや、あの、なんでもないです」
うぅ……プレッシャーがハンパ無いなぁ。
いつもはSEXの事を、ただの粘膜の接触とか言って軽口を叩いてるけど。
実際、アソコにチンチンが入って来ると思うと、異常なまでに恐怖感を感じてしまう。
あんなの入れて、本当に大丈夫なのかなぁ?
裂けちゃうんじゃないの?
もうすぐそれを自分が体験すると言う現実が眼の前にあると、目を背けたくなってしまう。
まさに、これこそが『言うに安し、やるに難し』の典型だね。
「オイ、眞子」
「あぁ、はいはい。なななっ、なんですかね?ビビッてないですよ。もう全然ビビッてないですよ。覚悟を決めてるんでヘッチャラですよ。平気ですよ」
「ヤッパリか。このアホ」
あれ?なんで、そんなに優しく頭を撫でてくれてるの?
「あの……崇秀さん」
「あのなぁ、眞子。そんな無理すんなな。こんなもん、別に、今である必要性なんて何処にもねぇんだからよぉ」
「えっ?むっ、無理なんかしてないもん。ちょ、ちょっとまだ緊張してるだけだもん」
「オイオイ、本当は怖いくせに、変に意固地に成るなよ」
「こっ、怖くなんかないもん!!私、向井眞子をなめるなよぉ」
……うぃ、怖いでやす。
でも、この恐怖感に真正面から立ち向かって、必ず克服して見せます。
なんとしても、これ位は崇秀さんにもしてあげたいもん。
そして私自身も、この体を崇秀さんに最大限まで愛されたい。
本当に、私と崇秀さんが相思相愛である事を証明して欲しいし。
「あぁっそ。けどなぁ、眞子。心と体は別物だぞ。本当に無理する必要なんて、どこにもないんだぞ」
「うぅ……でも、大丈夫。こんな状態であっても、きっと乗り越えてみせるから」
「そっか。じゃあもぉ、なんも言わねぇよ」
あぅ。
崇秀さんがそう言った後、ゆったりとではあるけど、とうとう布団に転がされちゃったよ。
勿論、身の危険を感じ場面でない事は自分でも重々に承知してるんだけど。
それでも尚、自然と恐怖感が湧き上がって来てしまい、ドンドンを身が縮こまって行くのが解る。
もぉ、既に眼を開けてられない状態に成ってしまっていた。
『ビシッ』
「あぅ……痛い」
「バカタレ。やっぱり、緊張して体がガチガチに成ってるじゃねぇかよ。こんな状態で入る訳ねぇだろ」
うぅ……言わんとせん事は解ってるんだけど。
こればっかりは意識せずとも自然に成っちゃってる事なので、私じゃあどうにも出来ないんですよ。
多分、初めてを経験する女の子だったら、みんなこう成っちゃうと思うしね。
だから私は……
「うにゃ、入るもん!!ちゃんと迎え入れてみせるもん!!」
「無理。俺のチンコが痛いから断る」
「嫌だ嫌だ!!やるんだもん!!やって貰うんだもん!!崇秀さんが、なんとかしてよ!!リードしてよ!!処女を相手にするのって、私が初めてじゃないでしょ!!」
「いやまぁ、そうだけどよぉ。幾らなんでも、これは無理ってもんだぞ。物には限度つぅもんが有るんだからよぉ。こうも体がガチガチじゃ、手の施しようがねぇよ」
「無茶なんかじゃないもん!!崇秀さんになら絶対に出来るもん!!私、信じてるもん」
うぅ……やっぱり、これって引き際なのかなぁ?
これって、分水嶺を越えて尚、最後のチャンスを与えてくれてる用にも思えるしなぁ。
……でもなぁ、こんなチャンス、今後、滅多に無いだろうしなぁ。
それになにより、私自身が心の底から『崇秀さんを自身の体に受け入れてあげたい』それで『私を愛して欲しい』っと言う願望が無限に湧き上がってきてる。
引くか、否か。
今の私は、そういうジレンマに襲われている。
だけど……
「ったくもぉ」
「あぁ……解ったぞぉ。結局は嫌なんだ。ナンダカンダ言っても、私の事なんて抱きたくないんだ。だからそうやって、いつもいつも、最後の最後で捏ててるんだ」
やっぱ……やる。
私に残された選択肢は、これしかない!!
それになにより、1度決めた事は覆しちゃダメなんだよ。
だから此処は、腹を括って最後までやる……やってみせる!!
「あぁっそ。そう言う風に捉えられるのは、流石に俺も心外だから。じゃあ、もぉ本当にヤメねぇからな。覚悟しとけよ」
「ドッ……ドンと来いですよ」
「なんだそりゃあ?ホント、オマエだけは、雰囲気も糞もねぇ女だな」
「あの……でもですね。優しくして下さいね。初心者ですから、痛いのは嫌ですよ」
「はいはい。んじゃまぁ、オマエのご要望にお応え出来るように、精々頑張ってみるわ」
そう言ってくれるなら……なんとなく安心かな?
こればっかりは、終わってみないと解らないけど。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
最後の最後で、初Hに対する恐怖感で、決心が揺らぎそうにはなりましたが。
矢張り、この場で引くのは由とせず、崇秀のファイナルアンサーに対してもGOサインを出しましたね。
眞子頑張った!!
……っと言いますのも。
実際、初Hに向かう女性と言うのは、どれだけ覚悟を決めても、矢張り怖いものは怖い。
それ故に今回は、その辺りの心理描写を克明に表現する為に、何とも男性にとっては「じれったいシーン」を敢えて書かせて頂いた訳ですから、それを乗り越えようとした眞子は偉かったと思います。
虚構(漫画やラノベ)と現実では、それ程までに乖離したものですしね。
(実際、あんなにスムーズに行為に及べると考える安易な思考は、処女を相手にした事が無い人か、処女の事をプロの風俗嬢の方を相手にしてるのと勘違いした人間が書いたものだとしか思えませんしね(笑))
……っで、そんな風に眞子も偉かったのですが。
今回のお話で「一番偉いなぁ」っと個人的に思ってるのは崇秀。
普通の男性なら此処まで来たら『相手を気遣って辞めようとなんかしない』ですし。
寧ろ、この場面で下手な事を言って、相手に『じゃあ、また今度にする』なんて言われたら発狂してしまいそうになりますからね。
それが解っていながら尚、眞子を気遣えた崇秀は偉いと思います。
さてさて、そんな中。
いよいよ次回からは、2人の行為が始まってしまう訳なのですが。
決心したとは言え、まだまだ眞子が緊張した状態なだけに、どうなる事やら?
その辺を書いて行こうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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