1200 眞子にとっての嫌な選択肢

 崇秀が眞子とのHを拒む理由の一端として挙げられるのは『眞子がHに依存したら問題が生じる』との事なのだが。

普通のカップルなら、それも特に問題がない話なだけに、何故、それが眞子だけは適応されるのだろうか?


***


「そう言うこったな。オマエが、俺とのSEXに依存しちまったら、折角の伸び代が全部台無しに成っちまう可能性がある。だから俺は、オマエとのSEXを拒んでるんだよ」

「あの、でも、それってさぁ、一般的に考えても、私達が男女である以上、避けられない話題じゃない?」

「そうなんだよな。だからこその問題なんだよなぁ」


うわ~~~っ。

私もさっき真相には気付いたけど、そう聞くと結構ヘビーな問題だなぁ。


私が愛情を求めて『SEX』をしちゃったら、その愛情に今まで以上に依存してしまい。

崇秀さんの求める『私の才能』を潰しちゃうって事かぁ。


これはまた一筋縄ではいかない感じだね。


だからと言って……



「あのですね、崇秀さん」

「んあ?」

「私、崇秀さんに好きで居て貰えるなら、才能なんてものは潰れても良いと思ってるんですけど。……それじゃあダメですかね?」

「何を言うかと思えば、このカラパカだけは……そんなもん全然良い訳ねぇだろ。大体にしてオマエの才能は、俺なんぞが潰して良い様な安っぽい代物じゃねぇってのは前から言ってんだろ。だから、そんな適当な理由じゃあダメだ」

「えぇ……だったら、私の幸せは何所に行っちゃう訳?こんなんじゃあ、全然幸せじゃないんだけど」

「アホ」

「なんでアホなのよ?それって、私が幸せを求めちゃいけないって言うの?」

「あぁ、ダメだな。それが才能を持って生まれてきた人間の宿命って奴だからな。テメェの幸せなんぞ後回しにしろ。後回しにした分、もっと大きな幸せを得れるからよ」


がぁ~~~!!そりゃあないよぉ。


だったら、そんな大それた才能も、運命もイラナイよぉ。


眞子は、小さな幸せが欲しい子です。


……けどね。

崇秀さんは、それをズッと実践してるんだよね。

多くの才能を持ちながらも、その多くの才能を見事なまでに開花させてきた。


だからこそ、この言葉を言う権利があるんだけど。

それだけに此処は、どうやっても折れてくれないだろうなぁ。


それでも私は……



「ヤダぁ~~~。そんなのイラナイよぉ。私だって目の前の幸せが欲しいです」

「オイオイ、安っぽい事を、簡単に口に出して言うもんじゃねぇぞ。品性を疑われるぞ」

「だってさぁ。そんなの一方的に損じゃん。私は、目の前にある女の幸せの方がズッと大事なんだけど」

「あぁっそ。でも、もし、それをオマエが本気で言ってるなら、自分の才能を、余す事無く全部吐き出してから言え。そうすりゃ、オマエは晴れて自由の身だ。才能を持って生まれると言う事は、そう言う事だからな」

「だからヤダって。そんな理屈じゃ、小さな幸せが諦められないよぉ」

「そっか。……じゃあ、等価交換として、その日が来るまで、ズッと俺が、オマエの傍で見ていてやるからよ。今は、それで納得しろ」


ゲッ!!今の状況で、そう言う事を言いますか?

その間、Hは出来なくとも、才能を開花させ続けてる間、若しくは出し尽くすまで、ずっと傍で一緒に居てくれると言う条件は、私にとっては、あまりにも好待遇。


この……卑怯者!!


そんな条件を突きつけられたら……絶対に断れる訳がないじゃん。


そんなのズルイよぉ。



「ズルイよぉ。そう言う言い方って、本当にズルイっと思う。ソレを言われたら、私が断れないのを知ってて、ワザと、そんな意地の悪い事を言ってるんでしょ」

「あぁ、そうだな。俺は、輝いてるオマエが好きだからな。だから、どんな事があっても、それを害する事は許さない。俺の彼女で有り続けると言うのは、そう言う事だからな。早急に諦めろ」

「ぶぅ、ホント、ズルイよぉ」

「まっ、そこに関しては『ロクでもない奴に眼を付けられた』と思って諦めるんだな。若しくは、俺と別れて、自分の道を行け。それも1つの選択だ」


そんなん無理に決まってるじゃないですかぁ。

今更、崇秀さんが居ない人生なんて考えられないし、その時点で、もぉ生きててもしょうがない。


それを別れて、自分の道を行けだなんて言うなんて……まさに人生終了のお知らせをされてるのも同然じゃないですか。


そんなの嫌だよ。


第一私は、崇秀さん以外の男性になんて惚れる理由がないし、惚れ様とも思わない。

実際、私を心から惚れさせる事が出来るのは、世界でも唯一崇秀さんって存在だけだしね。



「もぉ、本当にズルイよね。そうやって、私の生き甲斐を奪うつもり?それだけは、崇秀さんとは言え許さないよ」

「そっか。……じゃあ、この場合、オマエは、どうするんだ?どうしたら良いんだ?」

「ぐっ……もぉ口惜しいなぁ。なんで私、こんな超絶我儘な男に惚れちゃったんだろ?もぉヤダ。ほんと最悪だよ」

「まっ、人生そんなもんだな。人間である以上、なにかを得る為には苦労や我慢をする様に設定されてんだからな」

「ぶぅ……ぶぅぶぅ」


なんか納得出来た様な、出来無い様な微妙な答えだね。


でも、この後に私が質問をした時『ある重要な言葉』を崇秀さんの口から聞けるんだったら、そこは自己完結してでも無理矢理にでも納得する気持ちはある。


だから、この質問だけには、変にふざけたり、遠回しに言ったりせず。

心のままに、ちゃんと答えてね。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


崇秀の「才能大好き」が久しぶりに炸裂しましたね(笑)


まぁ実際、眞子の持つポテンシャルと言うのは、当然、倉津君と同じぐらいありますので、かなりの才能を持ってるのだけは間違いないのですが。

此処には男性と、女性と言う性差があるだけに、倉津君と同じ様な扱いでは才能を開花させ続けるのは難しんですよね。


それ故に、崇秀は、眞子にこんな事を言ってる訳です。


さてさて、そんな中。

そうやって崇秀に、ほぼ無理やり納得させられた眞子なのですが。

此処で、どうしても崇秀に確認をしておきたい言葉がある様なので、次回は、その質問をぶつける所方スタートに成ります。


果たして眞子は「崇秀の口から、何が聞きたいのか?」


次回は、そんな感じですが。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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