第二十話 推理

「なるほど、そういう事か、理解した。」


真名慎太郎は小さいノートにペンで何かを書いていった。


[1][2][3]

[8][□][4]

[7][6][5]


(これが、今僕がいるアルバスローカスの全体図。そして、紙切れに書いてあった『ルーメンからテネブライへ』はおそらく外国語。そして、ここの名前、アルバスローカス。アルバスローカスはラテン語で白い場所。おそらく『ルーメンからテネブライへ』もラテン語で表している。)


真名慎太郎は脳内にある記憶を呼び起こす。


(ルーメンはラテン語で光、テネブライはラテン語で闇、ということは『光から闇へ』という意味に変換できる。これは、光、つまり地上のことを指していると考えると、闇は地上の光が入ってこない暗い地下のことを指していると推理できる。つまり、『光から闇へ」は、上から下へという意味に変換できる。)


[1][2][3]

[8][□][4]

[7][6][5]


真名慎太郎の脳内は自身の推理に脳内が段々とヒートアップしていく。


(上から下へというヒント、そして、数字が書いてある部屋、ゲームマスターの十勝くんが言っていた『全てを足さないと』という言葉から導きだされることは、上から下へと数字を足していくということ。)


[1][2][3]

[8][□][4]

[7][6][5]

16...?...12


(つまり、16、?、12こうなる。そして、アルバスローカスに入る前にもらったヒント『つづくもの』おそらくこれは、数字のつぎにくるものという意味を表している。数字の次にくるものを当てるためには、何らかの規則性を必要とすることから、16、?、12この3つの数字には何らかの規則性がある。それを踏まえると、16、14、12となると考えられる。?に入る数字は14、つまり、白紙の部屋に入る数字は6ということになる。)


真名慎太郎はまた新しくアルバスローカスの全体像をノートに描いた。


[1][2][3]

[8][□][4]

[7][6][5]


(そして、次のヒントの『おのずと、人の手でつくられる。』おのずとの意味には自然と~という意味も含まれている。ここからおのずとが示すのは自然だと仮定できる。さらに、人の手でつくられる。というのは人工物を指していると考えられる。自然と人工物、つまり僕が今いるアルバスローカスを中心として考えると、左には自然が広がっている。右には賢一くんがいるロックエリア、つまり、人工物。このことからこのヒントは左右を示している。)


...[1][2][3]

左[8][□][4]右

...[7][6][5]


(さっきと同じように左から右へと数字を足していく。)


[1][2][3] 6

[8][□][4] ?

[7][6][5] 18


(6、?、18となる。これもさっきと同様に規則性があることから、?に入る数字は12。そして、空白に入る数字は0。)


真名慎太郎は再度アルバスローカスの全体像を紙に描く。


[1][2][3]

[8][□][4]

[7][6][5]


(最後のヒントの『×』これが示すのはおそらくこう。)


[\][2][/]

[8][ × ][4]

[/][6][\]


(こういう対角線を表している。そして、ここから導き出されることは、)


...[1][2][3]

...[8][□][4]

...[7][6][5]

□................□


(この□に当てはまる数字がわかればパスワードが解けるということ。そして、その数字はおそらくアルバスローカスの外壁にかかれていたB-9と関係している。つまり、)


..[1][2][3]

..[8][□][4]

..[7][6][5]

B_____ 9


(こういうことになる。そして、Bを数字に分解すると、)


.....[1][2][3]

.....[8][□][4]

.....[7][6][5]

13______9


(となるから、空白に入る数字は3となる。これで、紙からそれそぞれ、0、3、6の数字が求められた。そして、ヒントの『つづくもの』つまり、この3つの数字にも規則性があり、そこから導き出させる次の数字がパスワードの答えとなる。従ってパスワードは9。)


「なんだ、9じゃないか。」


真名慎太郎が最初にパスワードに入力しようとしていた数字がまさかの答えでなんとも言えない気持ちになった。


「ここを出るとしよう。」


白紙の部屋にいた真名慎太郎は機械のある1の部屋に移動する。


「思いのほか、簡単な謎だったが、それなりには楽しめたかな。」


機械に9の数字を打ち込み、決定を押す。

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