第2話
潤は、帰路となる山道をひたすらに走っていた。帰路にある山は二つ。一つは既に越え、現在挑んでいるのは二つ目の山である。アップダウンは激しくなっているが、まだ道にアスファルトがあるぶん走りやすい。
ひたすらに考えつつ、潤は過去のことを思い出す。
潤にとって、三年前、小学生の頃は思い出したくない時期であった。
きっと、傍から見れば、きらきらと輝いていた時期なのだろう。
だがそれは、当人にとっても輝きであったとは決して――
「この道を毎日走ってたら、これだけで相当だよねー。というか、こっちの方、人住んでたんだ」
「おわっ!」
急に声をかけられ、潤は驚く。いつの間にか、学校で分かれたはずの文香が後ろを走っていた。
「いつから! どうやって!?」
「学校から、ついてく、ついてくだねー。こう見えて、根性1200だから」
驚いて立ち止まった潤を、文香は抜き去っていく。潤はハッと正気に戻ると、文香を追い越すペースで追走する。
「いったいそもそも、お前はなんなんだよ」
「……なんなんだろうね。人が己が何者かであるのを知るのって、もっと先。もしかしたら、最期までわからないものかもねー」
「そういう人生の命題みたいなとこまでは聞いてないんだけど!?」
「生きてる以上、人生についてはずっと考えないとダメだよ。うっかり受け身をとれずお陀仏……なんてのもあるんだからさ」
「そんなことは、まずないだろ」
「そうだね。普通はそうそうないよねー」
会話しつつ、潤は並んで走る文香を観察する。文香の言葉には淀みもなく、肌に汗すら浮いていない。夏に制服で走って、この様子。汗をかきにくい体質だったとしても、細身に似合わぬタフネスが無ければ、到底無理だろう。
潤は額に浮かぶ汗を拭うと、細かな砂利が敷き詰められた脇道へとそれた。
「そっちの道、行き止まりだし熊居るぞ」
「ちゃんと舗装されててそれ? 道路行政はわからないねー」
ここまでついてきた人間を、ここで見捨てるわけにはいくまい。今度は文香が潤を後ろから追う形になった。両脇を木に囲まれた道を、二人は並走する。
文香は木陰を走りつつ、気持ちよさそうに言う。
「うーん。自然最高」
「毎日通ってると、そうでもないけどな」
「そうなんだろうけどねー。そっちは、どれぐらいこのあたりに住んでるの?」
「……今年の頭ぐらいから」
「ひゅー。半年でベテラン面ー」
そんな雑談をしている内に、道の先にある小さな洋館が見えてきた。緑の尖った三角屋根に、天辺には風見鶏。ガラスも枠付きと、シックな二階建ての小さな洋館である。脇にある納屋にある煙突からは、白い煙がもくもくと上がっていた。
「楽しい汐崎一家?」
「誰がトロールだ。確かに一見、滅茶苦茶に不便そうだけど、水も電気もガスも水道もインターネットもちゃんと通ってるぞ」
「ホントだ、スマホ見たら、アンテナ三本、Wi-Fiもかっちりキャッチだねー。うーん、イメージに合わないし、井戸や自家発電にスイッチしたら?」
「しない。井戸水で冷やしたジュースは無いけど、冷蔵庫で冷やしたお茶ならあるから、それ飲んで帰ってくれ。たぶんきっと帰り道に熊が出たりはしないから」
「たぶんきっとのところが、物凄く不安だねー」
なら、お土産に鈴を渡してやろうか? 潤がそんなことを考えたその時、納屋の扉がゆっくりと開いた。
「お客さんかな?」
土で汚れた手を年季の入った汚れのついたエプロンで拭いつつ、潤の父親があらわれた。納屋で何かしらの作業、土いじりをしていたらしい。
出てきた父親に潤が声を掛ける。
「お客さんってわけじゃ……」
「僕もまだ耳は達者で、ここは静かだからね。足音が二つあるくらいは、納屋の中でも」
そこで父は、来客が女性であり、汐崎の学校の制服を着ていることに気づいた。
「なるほど。お客さんでなく、友人だったってわけだね。なら、帰って来る前に連絡してほしかったよ」
「いやそれも」
「はじめまして。汐崎くんの同級生の宍戸文香と申します」
「これはこれはご丁寧に。いやいや、この家に、潤が友だちを連れてくるなんて始めてで。正直緊張してます」
潤がなにか言うより、文香の方が早かった。一礼して挨拶した文香に、父親も頭を下げる。
「私は、この子の父の孝太郎です。ちょっと作業中で、長くはお構いできませんが、ぜひお茶でも出させてください」
孝太郎はそう言うと、母屋の方へ戻っていく。
文香が潤にたずねる。
「友だち、いないの?」
「ちゃんといるわ。ただ、誰もこの家まで来れないだけだ。自転車でついてきたヤツも、一つ目の山で力尽きたし」
同級生の不名誉ではあるものの、自分の名誉のために、これだけは言っておきたかった。
◇
「いやー。潤が友だちを家につれてくることなんて、殆ど無くてねえ。正直僕も慌てっちゃって。僕は作業に戻りますが、まあゆっくりしていってください」
潤の自室に、アイスコーヒーとクッキーをいそいそと運んできた孝太郎は、そんなことを言って納屋に戻った。
「友だち、いないの?」
「また聞くかよ、そこで……」
PCの前にある椅子に座っている潤は、嫌そうな顔でコーヒーを啜る。クッションに座っている文香は、コーヒーを飲みつつ顔をほころばせていた。
文香はクッキーを口にしつつ、きょろきょろと部屋を見回す。
「これまた随分と集めたもんだねー。高かったでしょ」
「知り合いからの貰い物もあるから、見た目ほど金は使ってない」
潤の自室は、本棚に囲まれていた。ベッドとパソコンと机、多少のスペースを除き、後は全部本だ。バカでかいためベッドも特性だが、それを差っ引いても本で埋まった部屋だ。
文香は適当な本を一冊取ると、ぱらぱらとページをめくる。
「どれどれー。うーん、みんなファンタジー小説だ。こういうの好きなんだー」
「ああ。好きだよ。大好きだよ。俺は異世界モノが好きなんだよ」
これを見られて、言い訳しても仕方あるまい。潤はあっさり、それを認める。
それはそれとして、こちらも文香にはっきり聞いておかなければいけないことがあった。
「それで結局、そっちは俺にどうして欲しいんだ」
「いや。プロレスやってほしいなーって」
文香の返事は、またもどストレートであった。
「うん。それはわかる。俺も日本語は出来るし、言葉も通じる。でも、あいにく、テレパシー能力はないんだ。順を追って説明してくれ。まずなんで俺に声をかけた」
「そりゃあ、自分の学校にあの汐崎潤がいて、声をかけないわけにはいかないでしょ。三年で忘れていい名前じゃないよねー」
三年前。そう聞いた潤は、まず疲れたようにうつむいた。
「最初に言っておくけど、小学生の頃の話は、あまりいい思い出じゃない」
「公式柔道大会三年全勝が、いい思い出にならないんだ。三年生から六年生までずっと負け知らず。汐崎道場の全国大会三連覇も、キミがいなきゃ無理だったと思うんだけどねー」
公式柔道大会にて全勝。道場の団体戦三連覇に立ち会う。文香の語る潤の思い出は、いいとしか言えない思い出にして、前人未到の記録であった。しかし、ここまで語っても、文香の口は止まらない。
「それだけじゃなくて、一緒にやってた空手でも全勝。助っ人として顔出しした、キックボクシングやレスリングでも快勝。部屋にスカウトに来た相撲取りと道場主が喧嘩になったって話も、嘘っぽいけど本当かなって。それに、お母さんは……」
「もう一回言うけど、小学生の頃の話は俺にとってはいい思い出じゃない。それに、その話をこの家で大声でしないほうがいい」
コンコンと、部屋がノックされる。返事の後にドアを開けこちらを伺ってきたのは孝太郎だった。
「宍戸さん、車で送っていくので、帰る時には声をかけてください。いくら夏とは言え、長い夜道を女の子一人で帰すのは危ないからね」
「はい。ありがとうございます」
「潤。さっきも言ったけど、来る時に連絡をしてくればよかったのに。君はともかく、普通の人が歩いてこの家まで来るのは大変なんだよ?」
「い、いや。なんというか、この人は多分普通じゃないと言うか……」
「とにかく。もう少し、僕を頼りなさい。今は追い込みの時期じゃないし、それぐらいならしてあげられるから。いいね?」
潤がうなづくのを見てから、孝太郎は再び作業場へと戻っていった。
文香は潤にたずねる。
「お父さんのお仕事って陶芸家?」
「いや。芸術家。陶芸もやるし、絵も描く」
「ああ、そういえば、そんな話も昔……」
「だから、俺の過去の話をこの家で大声でして、もし父さんの耳に聞こえてしまった場合、大変なことになる」
「それはいったいどんな感じなのかなー?」
「もちろん、なんでそんなことを知ってるのかな? なんの目的で息子に近づいたのかな? と笑顔を絶やさずトーンも変わらない大人トークで執拗に責められるし、何より俺が困る。場合によっては、せっかくこの数ヶ月で馴染んだ家と学校から引っ越す羽目になる。大げさじゃなくて、一回俺、それで引っ越してるんだからな?」
「うーん。わかった。そっちに迷惑がかかるならともかく、わたしが責められるのは困るねー」
「そうしてくれると助かる。待った、今、ふざけんなレベルで逆じゃなかったか?」
「気のせい、気のせい。じゃ、過去じゃなくて未来の話をしようか。実はね、わたしは、創作的なものに一家言あるんだよ」
「ほう……」
一気に潤の中で文香への興味が生まれる。今までは良くわからない女としか思っていなかったが、同好の士ならば、だいぶ対応も変わってくる。
「あまり本とか読まないし、今流行りの異世界もほとんど知らないんだけどねー」
「お前、一家言って言葉の意味知らないだろ」
数秒前に生まれた興味は、今しがたお亡くなりになった。
「一家言って見識のある意見だけじゃなくて、独自の意見って意味もあるから、詳しいと微妙にイコールで繋がらない気がするんだよねー」
「なんで知ってるんだよ! むしろ、なんで詳しいんだよ!」
「ふふふ。それに、わたしはかの文芸部部長氏とちょっとした付き合いがあるからねー。うーん、とりあえずその信じられないオーラ全開でこっち見るの止めない? それと、手をポキポキ鳴らすのも止めよう。でっかい人がやると更に怖いから。それはともかく、部長氏の普段を知った上で、この部屋に来たことでわかった気がするよ……。キミの小説が、イマイチだなーって理由がね」
「ふうん。場合によっては、俺のこの手がさらにポキポキ鳴ることになるが、とりあえず言ってみろ」
「キミ、本当に異世界モノ好きでしょ。この部屋の本棚の本はみんなそうだ。関係なさそうな本も中世ヨーロッパの文化や当時の武具や思想が書いてある資料ばかりだ。この部屋には、キミの愛が詰まっている」
潤の部屋を埋めるのは古今東西のファンタジー小説であり、古風な騎士物語から最新の異世界転生モノまでずらりと並んでいる。資料も古本屋で買ったのがわかるくらいに年季の入った本や、すべて英語の洋書まで揃っている。きっと、何も知らない人がこの部屋を見たら、著名な作家の自室と答えるに違いない。
「でも、一つの愛しかないよねー」
一つの愛しかない。意味はわからぬものの、その言葉は潤の胸にぐさりと突き刺さった。
「愛好家の部屋ならこれでいいと思うけど、もし自分自身でも作りたいと思っているのならば、愛が一途すぎるかなって。少なくとも、同じように愛を貫けるような理解者しかついてこないし、キミほど一途な人はそう居ないと思うよ」
「つまり、お前も俺に、ファンタジー以外を書けっていうのか? 別のことをしてみろと」
「うーん。半分合ってて、半分違うかな。人間、書きたくないものは書きたくないだろうし、気が乗らないものを無理やりやっても疲れちゃうからねー。ただ、視野を広げてみるのは悪くないと思うよー? たとえばさ、自動販売機を迷宮に置いてみたらどうだろう? ダンジョンを攻略するのではなく、マスターとして経営する形にしたら面白いんじゃないか? 異世界の税金ってどうなっているんだろう? こういう発想ってさ、この世界で生きてるから出来る発想だと思うんだよねー。作者の視野が、いいアイデアを見つけたっていうかさ。あの部長だって、普段からずっとモノ書いてないよ? 結構、別の趣味を楽しんでるみたいだし」
潤は、自分の部屋に入れた人物が、文香がなんなのかよくわからなくなった。適当なことを言っているように見えて、今しがた口にした理屈は一家言を自称できるくらいの説得力があった。現に、異世界モノだけしかないと頑なだった潤の心が動き始めている。
きっと、今自分は、彼女に呑まれているのだろう。潤はそう自覚していた。
「だからうん、一度プロレスに触れてみるのもいいんじゃないかな。まずは、会場に来てもらうだけでいいから」
「いや待った。流石に論理が飛躍しすぎて、正気に戻った」
いくらなんだって、異世界モノとプロレスは繋がらないだろう。机の上とリングの上をつなげるのには、まだまだ理屈が必要なはずだ。
「飛躍してないよ。だってプロレスは、自分の世界を作る格闘技だから。リングを異世界に変えるんだから、ある意味異世界モノじゃない?」
文香はこともなげに、そんなことを言った。
◇
”とりあえず、視野を広げる第一歩目として、昨日まで他人だったわたしに付き合ってみてくれてもいいんじゃないかなー? そうそう、わたしも視野を広げたいから、オススメの本があったら貸してほしいな”
既に文香は帰り、三時間ほど時が経ったものの、未だに潤は狐につままれた気分であった。ジャージに着替えた潤は、二つあるガレージのうち、左側の扉を開ける。
右側の扉には、孝太郎の愛車であるミニクーパーが収められている。先程、文香を送っていった車だ。諸事情在り、潤はついて行けなかったが、きっとまあ帰ってきた孝太郎が普段通りな以上、文香が変なことを言ったりはしなかっただろう。
そして左側の使ってないガレージの中にあるのは、錆びたダンベルに吊るされたサンドバッグに関節技や投技を試すためのダミー、地面には四畳ばかりの畳が敷かれている。ここは、潤専用のトレーニングルームであった。
潤はスポーツや格闘技に馴染めなかったものの、身体を動かすこと自体は嫌いではない。なのでこうして、マイペースでのトレーニングは続けている。孝太郎も、このこと自体には何も言わなかった。
潤はまず、文香から受け取ったパンフレットを手にする。そこには、ハイスクール・プロレスリングというタイトルが書かれていた。
「なにか聞いたことがあるような、ないような……?」
潤はパンフを手にし、何度も首をかしげる。かしげると言うより、これはストレッチの一部である。潤はオーソドックスなレスリングブリッジの体勢で、パンフを読んでいた。畳の上には、マットが敷いてある。
ああそうだと、潤は思い出す。確か3年ほど前、従来の大学生メインの学生プロレスとは違う、高校生によるプロレス、ハイスクール・プロレスリングという組織が設立されたと聞いたことがある。この頃の潤は小学6年生。いろいろなゴタゴタに巻き込まれた後、中学の三年間は父親と共に渡米していたため、聞いたことがある以上の情報は持っていなかった。
汗がうっすら出てきた所で、潤はブリッジを止める。軽く汗を拭ってから、今度はサンドバッグを叩き始めた。
とはいえ、プロレスである。相手の技をとにかく受ける、我慢コンテスト。常に勝敗が決まっており、リングでやっているのは試合ではなく芝居。少なくとも潤にとって、プロレスは格闘技でもスポーツでもない、エンターテインメントであった。いったい、創作の何とつながるのかはわからないが、他人を楽しますという一点では確かにプロレスと創作は一緒なのかも知れない。
飽きるまでサンドバッグを叩いた潤は、畳に向かって何度も受け身を取り始めた。後ろ受け身、横受け身、前受身、数々の受け身を順繰りにこなしていく。受け身は人生の役に立つ以上、練習を止める気はない。受け身を身体に染み付かせておけば、転んだ際の死傷率は目に見えて変わる。人は思ったよりも脆いのだ。
そうこうしている内に、ふと潤はあることを思いつく。
「そう言えば、こういう受け身でプロレスの技は受けられないよなあ」
潤の受け身のベースは柔道だが、柔道の受け身だけでプロレスの技を受けるのは無理だ。例えば、コーナーポストから飛んで落ちるとして、背中からでも腹からでも上手く受けられる自身なんて到底無い。
それに柔道の受け身で対処できない技といえば……
潤はその場で逆立ちをする。180をゆうに超える身長のわりには、身軽である。そうやって逆立ちをしたまま、おもむろに手を放した。
ゴン! と鈍い音が静かな森に響いた。
「どうしたんですか!?」
あんまりの音に驚いた孝太郎が部屋から出てくる。
「なんでもない! なんでもない!」
潤は脳天を抑え、慌てた様子で無事を伝える。
まさか一人パイルドライバーを敢行し、勝手に頭にコブを作っただなんて、正直に言えるわけがない。
孝太郎は不思議そうな顔をしたものの、ひとまず無事に見える息子を見て安堵する。
「あとで軟膏を塗ってあげましょう。腫れているようだったら、明日病院に行くように」
「はい。わかりました」
「それと、もう寝なさい。もうトレーニングを始めてから2時間ほど経ってますし、まだ夏休みではないでしょう」
「はい」
ただただひたすらに、一人で鍛える。道場や部活から離れた潤にできることはこれくらいしかなかったが、とにかく潤は凝り性であり、反復練習の密度も濃く、時間も長かった。孝太郎がこう言わなければ、深夜まで黙々とやっていてもおかしくない。それでいて、練習後には創作のためじっくりとPCと向き合う。潤は身体も頭もタフであった。
孝太郎が帰った所で、潤はハイスクール・プロレスリングのパンフを拾う。パンフに記載された次回大会は一週間後、場所は凪目高校からさほど離れていない運動公園の体育館である。
どうせ、この時期は夏休みだ。時間に余裕があるこのタイミングで、違う視点を取り入れてみてもいいだろう。こんなパイルドライバーみたいな痛い技を受けて見せるレスラーに、ちょっと興味が湧いてきたのも事実である。プロレスと異世界モノが一緒だとは到底思えないが、自分の目で違うと判断することは、きっと後の肥やしになるだろう――
◇
一週間後、真夏の暑い盛りの中、ハイスクール・プロレスリングの地方興行が開催されていた。
体育館用のエアコンの効きも薄い中、リングの上に一人、怪物然としたマスクを被ったレスラーがいた。きっと息苦しくて、暑いに違いない。そもそもこの暑さの中、あんな顔全部を隠すマスクを被ってまともに動けるのか。
観客が興味半分嘲笑半分で見守る中、件の覆面レスラーが考えていることは一つだった。
どうしてこうなった。
ただ、興味本位でプロレスを観に来ただけだったのに。
潤は謎の新人高校生レスラー、マスク・ド・オークとして、リングに上っていた。
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