悪い子

さめない夢はどうせ夢なのだし

マトモぶるのもいい加減にして

嘘を嘘として嘘ついて

もう少しだけ器用になれたら

この頭の奥で蠢めく

悲しみの塊も

いつか海馬に住み着いて

思い出の形になれる日が来る

それまであたしは這いつくばって

推しを背骨に立ち上がって

何度も何度も転がり落ちては

また背骨に救われる

ちょっと悪い子になっちゃえ

どうせ目指しているのは

天国ではないのだから

羽なんかなくても

美しい尾がなくても

この足が地にある限り

どこにでも行けるよ

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