はやくしてくれ
どうしようもない肉の内側から溢れる
重みある悲しみが
身体を布団に縫いとめてもう動けない
ああ泣きたい
どうしてこれほど辛いかわからない
頭が分離していく
雲より混ざりやすく薄まりやすい
幼稚な思考の持ち主だった
誰かに抱きついて寄りかかって
初めて立てるようになるこの身体は
一体誰の本体になるのだろう
守られることをよしとされない世界観で
一体何人が生き延びられるだろう
言葉は広い海を漂って
たまに優しい人にたどり着く
けれども声にはなり得ないから
近くに響くことはない
いくら言葉で泣き喚いても
何もかもが無駄だ
はやくしてくれ
生かさないで
もう限界だ
はやく、たのむはやく
許すとか許さないとかそんなのいらない
とにかく逃げたい
殺してくれ
私をここから逃してくれ
たのむ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます