第四十二話
「こ、これからどうするつもり?」
「脱出したいが出口が分からんからな。・・・・・どうするか。」
施設に関しての情報がなさ過ぎる。部屋の中にある物をラカンと調べたが、使われている言語が知らない言語である事と操作パネルのような物があるくらいしか分からなかった。
「本当にどうする?役立ちそうなのなかったけど。」
「このパネルを操作するしかないだろうが・・・結構不安だな。」
「ん〜、えい。」
「おい!!」
俺が頭を抱えているとラカンが適当にパネルに触れる。それを咎めるように俺はラカンに怒鳴った。
「大丈夫だって、ほらあっちの扉が開いたよ」
「は〜」
偶々か入って来た扉とは真反対にあった扉が開いた。機械が入ってくる感じもせず、当たりの扉だと思う。それでも、油断せずに俺達は通路を進んだ。
「ねぇ、コレってまさか・・・」
「魔物で何かの実験をしてるのか?」
適当に通路を進んでいたら、カプセルのような物に狼のような魔物が入れられている部屋を見つけた。まるでアニメなどで見る怪しい実験室のような雰囲気で、ラカンは部屋を警戒した感じで見回している。
「ロスト、奥のアレって霊谷の悪魔だよね?」
「あぁ。俺もそう思う」
ラカンが指で差した先には外で倒した狼と似た姿の魔物が何十体もカプセルの中に入っていた。その内の数体は黒いモヤのようなものが噴き出ている。
「どうする?このまま進むか?」
「一度戻って他の道を探そうよ。ココは不気味で嫌い」
「分かった」
そうして、来た道を戻って他の道を通って出口を探したが、尽くが行き止まりか機械が大量に徘徊している場所だった。その結果、結局実験室らしき部屋に戻って来た。
「やっぱりココしかないの?」
「そうだな。壁を破壊しようにも機械供よりも硬くて黒炎ですらびくともしないし、機械供は数が多過ぎる。倒しきる前にこっちがやられるだろうな」
「そう、だよね」
部屋の奥にある扉から禍々しい気配を感じる。まるで、闇そのもののような悍ましい気配だ。正直俺も行きたくないが、ここ以外に進めそうな場所はない。
「腹括るか」
「う〜」
俺達は扉の前に立ち、近くに設置されている開閉用と思われるボタンを押した。押した瞬間にラカンと俺は瞬時に警戒態勢に入ったが、扉は普通に開き、その奥には大きな部屋が一つあるだけだ。
「何も、ない?」
「いや、この先で何かが待ち構えてると思うぞ。気配が少しだけ強まった」
警戒態勢のまま部屋に入ると案の定、入ってすぐに扉が凄い勢いで閉まった。そしてサイレンのような音が大音量で部屋中に響く。
『警報、警報。侵入者を確認しました。侵入者を確認しました。これより、侵入者排除プログラムを実行します。防衛用兵器ガーディアン0が起動します。周囲の方々は避難してください。繰り返します。警報——』
「何ですか⁉︎メッチャ煩い‼︎」
「嘘だろ」
天井を見上げると天井に穴が開いて、そこからデカくて身体中に重火器を身に付けたゴツいロボットが落ちてきた。そして、一つ目の赤い目らしき物が俺達を見た。
「ご、ゴーレム⁉︎お、おっきすぎませんか」
『侵入者を確認。これより侵入者を排除します』
「か、かっけー」
見た目がかなり好みでつい口から本心が漏れた。ロボットは混乱する俺達を尻目に、右腕を前に突き出した。俺とラカンは慌てて横に跳んだ。すると右腕から図太いレーザーが放たれ、俺達がいた場所を貫いた。
俺は黒葬姫を抜いて、黒炎でロボットを燃やした。だが、魔力耐性が高いのか傷一つ付かない。斬ろうともしたが装甲が硬すぎて弾かれた。ラカンも、必死にミサイルや銃弾を躱しながら攻撃を加えているがダメージは入っていないように見える。
「クソが‼︎」
喝を入れるように叫びながら脆そうな箇所を何度も叩く様に斬るが、少し傷付くだけですぐに修復される。自己修復機能があるなんてどう考えても反則だろ‼︎
攻撃は苛烈ではあるが躱せない程速くはないから何とかなっているけれど、部屋から出られない以上このままじゃ死ぬ。体力にも限界があるし、自己修復のせいで生半可な攻撃は意味がない。おまけに黒炎も効かないとなると決定打がない。
何箇所か弱点ぽっい所があるが、近づけば蜂の巣にされそうな場所にあるため迂闊に近づけない。唯一の救いは、ラカンが俺の反対側にいるおかげでロボットの攻撃が一点集中しないことだ。
『主人よ。どうしたのだ?緊急事態と言われて来たが』
『遅えぞ夜月‼︎こちとら死にそうになってんだよ‼︎龍黒葬使うぞ‼︎』
ロボットが現れてすぐに連絡した夜月がやっと来た。俺はすぐさま龍黒葬を使用してロボットを攻撃した。さっきよりも明らかにダメージが入る。ラカンも何かのスキルを使ったのか大きな狼の姿になってロボットに襲いかかった。
狼になったラカンは先程とは打って変わり攻撃が荒々しく、強力になっていた。それはロボットの装甲を少し凹ませる程だった。そこからは単純な我慢比べのようなものとなり、最後は装甲が剥がれて剥き出しになった核を俺が砕いて戦闘は終わった。
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作者です。龍黒葬について発動条件の追記をします。龍黒葬は夜月のステータスやスキルを借りるため、夜月の意識が黒葬姫に入っている必要があります。
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